「はじめまして。侵入者の皆様。」
そう、堂々と始めた交渉だが、内心は不安でしかない。
こちらは半分が戦闘不能になっており、全員銃を床に置いている。
対してあちらには、銃を持った戦える大人がまだ三分の二はいるだろう。
そして今回の侵入者達はおそらくポートマフィアだ。
ポートマフィア。食糧の配給に来た親切なおじさんが教えてくれた。
闇と暴力の代名詞であり、逆らったら最後根絶やしにされてしまうというヨコハマの組織。
何故配給のおじさんがそんなことを知っているのか、何故それをわたしに教えるのかなど全く疑問に思わずに、へぇ~と聞いていたものだ。
結局命令するのは「ご主人」なのだから私達にそれを回避する手立てはないのだが。
子供だからといって容赦しないよく訓練された大人を相手に正直勝てるはずがない。
あのクソジジイはポートマフィアを相手に何をやらかしたのだろうか。莫迦じゃないのか。
すぅっと酸素を体内に取り込み、脳に回す。
勝率が限りなく0%に近いからといって私はここから逃げ出したりはしない。
みっともなく無策に命乞いもしない。
この子たちが生きていられるように。
脚は竦むが、決して笑みは絶やさぬように。
こちらが弱者だなんて思わせない堂々とした態度で。
慎重に言葉を選んで云う。
「私達は『会場』に入った侵入者を始末するため、そして大きくなったら売り飛ばすために育てられている実質奴隷である者です。今回はクソジジイもとい「ご主人」にあなた方を始末するように云われてここに立っています。」
一旦切って目の前の男の様子を窺う。
包帯を巻いた黒外套の男は特に何か思った様子もなく、こちらと同じように薄く笑んでいた。
(やはりこいつは相当頭が切れるようだ)
この状況も半分予想がついていたのではないだろうか。
はぁ…と心の中でため息をつく。
これだけの男相手に交渉を進めようとしているのに冷汗がまるで出ない。いつのまにか脚の震えも止まっていた。
吹っ切れた後の私は最強のようだった。
「私達の中には本当の親がいるにもかかわらず攫われてきたものもいます。そして何より、こうして前線で戦わされているのです。どうしてそれを指示している爺を好いている者がこの中にいると言えましょう?」
そしてここからが本題です、と続ける。
これで私達の運命が決まる。
「私達とあのクソジジイを殺してくださいませんか?」
黒外套の瞳が揺らいだような気がした。
雑でごめんなさい。私に書けるのはここまでですっっ
ぐやじい
..................何でもないです。すみません。
駄作ですが何卒。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。