前の話
一覧へ
次の話

第1話

迷子の迷子の水神は
51
2024/04/23 09:14
フォンテーヌにある、フリーナ家。
元水神…にも関わらず、普通の一軒家。
フリーナ
フリーナ
ん〜っ!
フリーナ
フリーナ
今日も声は絶好調!
ただの、一般人…否、女優に過ぎない。
最近は、監督業もやったが。
フリーナにとって、以前の舞台は最高の出来だったそうだ。
だが、それからは
ぐうたら寝て、食べてのばかりだ。
少しは運動しないのかと旅人にもよく言われるが、フリーナにとってはどうでもいいことだ。
だが、最近体重を気にかけており、
少し…ぐうたらしすぎていたようだ。
フリーナ
フリーナ
少しは外で運動でもするかぁ…
フリーナ
フリーナ
フォンテーヌ邸の辺りを回っていればいいか!
歩き始めて5分後、
フリーナ
フリーナ
こ、ここ…どこなんだぁ…?
いつの間にか迷子に。
いつもならば、メリュジーヌが付いてくれたり、周りの者が道案内をしてくれるが…今はもう水神では無い。
フリーナ
フリーナ
くぅっ…ヌヴィレットが居れば…
そんな事を言っていると、近くから、コツコツと、足音が聞こえた。
シュヴルーズ
シュヴルーズ
おや、フリーナ様でしたか
フリーナ
フリーナ
シュ、シュヴルーズ!?
驚くフリーナの顔に、シュヴルーズはこう言う。
シュヴルーズ
シュヴルーズ
何か…困っているのですか?
フリーナ
フリーナ
あ、いや…別に…
シュヴルーズ
シュヴルーズ
…困っているのですね
フリーナ
フリーナ
なんで分かるのさ!?
当然のように感情を読み取るシュヴルーズだが、
正直フリーナに会えて少し嬉しそうな顔をしていた。
この前の映画ではフリーナとの関係も深まり、
こうして今もフリーナの用事に付き合おうとしている。
シュヴルーズ
シュヴルーズ
今、仕事が終わりまして。一応、見回りをしていたのです。
フリーナ
フリーナ
へ、へぇ〜…
フリーナ
フリーナ
じゃ、じゃあ僕はこれで…
シュヴルーズ
シュヴルーズ
何か…困っているのですね?
フリーナ
フリーナ
は、はひ
シュヴルーズの押しに負けるフリーナだが、
彼女自身は自分が水神として役目を担っていた国で迷子なんて知られたくなかったようだ。
フリーナ
フリーナ
フォンテーヌ邸を散歩しようと思って…
フリーナ
フリーナ
そしたら僕の家に帰れなくなってしまったんだよ…
シュヴルーズ
シュヴルーズ
ほう、
一瞬、フリーナはシュヴルーズに何か言われるのかと思っていたが、シュヴルーズは当然のように受け流す。
シュヴルーズ
シュヴルーズ
…ぜ…で…か
フリーナ
フリーナ
へ?
シュヴルーズ
シュヴルーズ
何故、警官を頼ってくれないのですか!?
シュヴルーズ
シュヴルーズ
こういう時のために警官はいるんです。
フリーナ
フリーナ
わ、分かっているけど…
フリーナ
フリーナ
僕がこんな事ごときに警官に頼ったら、
恥ずかしいじゃないか…
シュヴルーズ
シュヴルーズ
こんな事ごときでも警官は頼られたいんです。
シュヴルーズ
シュヴルーズ
さぁ、行きましょう。
シュヴルーズは、自分の意思を貫き通し、フリーナを案内する。

シュヴルーズはフリーナの手を掴み、家へと向かった。














フリーナ
フリーナ
た、助かったよ…
シュヴルーズ
シュヴルーズ
…いいんですよ
フリーナ
フリーナ
そ、それじゃあ僕はこれで…
シュヴルーズ
シュヴルーズ
はい、
シュヴルーズ
シュヴルーズ
また、困った時は
フリーナ
フリーナ
頼るって…!
シュヴルーズ
シュヴルーズ
はい、それでいいんです。
シュヴルーズ
シュヴルーズ
それでは、
フリーナ
フリーナ
嗚呼…助かったよ
シュヴルーズ
シュヴルーズ
…?
フリーナ
フリーナ
ありがとう
シュヴルーズ
シュヴルーズ
…!
シュヴルーズ
シュヴルーズ
はい、どういたしまして。












フリーナの家から遠ざかる。
シュヴルーズ
シュヴルーズ
あの顔…
シュヴルーズ
シュヴルーズ
やはり、警察官は辞められない、







































シュヴルーズ
シュヴルーズ
フリーナ様の手、冷たかったな


























シュヴルーズ
シュヴルーズ
また、会えるといいな…

プリ小説オーディオドラマ