さよならうんめい、またあうひまで
ほぼ他人のような存在で、君には恋人もいる。それでも僕が彼氏だと確信し、日々君の生活を観察し続ける。君の行動や好みを細部まで把握し、まるで恋人のように支えているつもりでいる。しかし、君は僕の存在すら知らない。君が誰かと笑い合うたび、僕はまだ、自分を知らないだけだと自分を慰める。
次第に思い込みは狂気へと変わり、生活に密かに介入し始める。愛を成就させたつもりで、閉ざされた世界に連れ去る。それは、たった一人の心の中だけで完結する「幸福」であった。
ー 12,006文字
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update 2025/07/13