『嫌われ役の私と、クラスで一番嘘つきな君』
クラスで一番嫌われているのは、たぶん私だ。
誰かが泣けば、
「紗良のせいじゃない?」
何かが無くなれば、
「紗良が取ったんじゃない?」
証拠なんて、どこにもないのに。
教室に入ると、話し声が一瞬で止まる。
視線だけが、私に突き刺さる。
「またあの子来た…」
「ほんと無理」
聞こえないふりは、もう疲れた。
私が何をしたっていうんだろう。
ただ、静かに学校に来て、授業を受けて、帰りたいだけなのに。
そんな私を一番強く疑ってくるのが――
なおきりだった。
クラスで一番人気で、
誰にでも優しくて、
先生にも好かれてる、完璧な人。
「紗良ってさ、ちょっと怪しくない?」
笑いながら言うその一言で、
クラス全体が私を疑う。
みんなは知らない。
なおきりが、どれだけ上手に嘘をつくかを。
私だけが知っている。
ある日の放課後、
私は偶然、なおきりが女子にこう言うのを聞いてしまった。
「紗良がやったって、俺は見たよ」
その“現場”に、私はいなかった。
――なのに。
私の心は、その瞬間、凍りついた。
どうして?
なんでそんな嘘をつくの?
クラスの人気者で、正義の味方で、
誰よりも信頼されている彼が――
私を悪者にしている。
もしかして、このクラスが壊れたのは…
全部、この人のせいなの?
でも、誰も信じてくれない。
嫌われ者の私の言葉なんて。
これは、
「クラスで一番嘘つきな君」と、
「クラスで一番嫌われた私」の物語。
ー 1,291文字
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update 2026/01/20