宙に舞うあなたへ
日曜日の午後、知念侑李はマネージャーとの打ち合わせ前に少しだけ時間が空き、ふらりと公園を歩いていた。
緑の広がる原っぱには、子どもたちの笑い声と、遠くから聞こえるクラシックのメロディが流れている。
ふと視界の端で、何かが高く跳ね上がる。
それは、ジャージ姿の女性が見事なバク転を決める瞬間だった。
誰も見ていないと思っているのか、彼女は何度も跳び、静かに呼吸を整えながら、ひとり“美しさ”の中にいた。
侑李は思わず立ち止まり、その光景に見惚れる。
「こんな人がいるんだ…」
その瞬間から、美咲という名前も知らない彼女の存在が、彼の心に根を下ろし始める――
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update 2025/07/19