The savior full of scars
−傷だらけの救世主
愚痴部屋
閲覧注意
最強と呼ばれるあの人は、いつも完璧な顔で前に立つ。血に濡れても、苦しくても、倒れないことだけをずっと選び続ける。それが役目だからって、まるで自分に言い聞かせるみたいに。
その背中を、無理を貫いた刃が見つめている。軽薄そうに笑いながら、誰よりもその異変に気づいている。削れていく命の音。限界を蹴散らした吐息。誰にも見せない傷。そのことを。
守るために強くあるはずなのに、強さが自分を壊していく。それは、それは何で?何かを救うたびに、何かを失っていく。
だけど、それでも立つ。ずっと、孤独の真ん中で。
置いていかれることが怖い者と、立ち止まることが怖い者。噛み合わないまま、噛み合わなくても、それでも何度でも隣へ立つ。傷だらけの救世主は、今日も——ずっと、それでも立ち続ける。
ー 1,565文字
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