アレイは、先に自分の住むマンションへ帰った。
風呂に入って、さっぱりと汗を流す。
その後。コンビニで買った弁当、刻んだキャベツとトマトのサラダをテーブルの椅子に座って口にする。ドレッシングはかけない。
そんな独り言を呟き、自分の部屋で就寝。ベッドの上で眠りにつく。
目覚ましが鳴って止まると、七時ちょうど。太陽の光がカーテンから漏れている。もう朝だ。腕を伸ばしてあくびする。
起き上がれば机の上のスマホが鳴っている。この番号に見覚えがある。ノリーだ。
急いで走り、窓を開けてベランダに出る。
スマホの通話を切った。今現在何の武器もないが、家の中には隠れる場所がたくさんある。
開いている窓に拳を構えてボクシング選手のような格好をするが、誰もこなかった。
彼女の電話番号をまた入力。通話ボタンを押した。呼び出し音を何回か聞く。どれくらいかして彼女の高らかな声が聞こえてくる。
そのまま自動的に切られて、ノリーの場所を告げられることはなかった。下からベランダの場所に、女が乗り込んでくる。
黒いコートを着ており、人相が悪そうな顔をしている。手の甲には目のマークが書かれていた。
女は銃を向けて威嚇する。
銃声の音がした。それはベランダと部屋中に響き渡る。女とアレイは両方とも倒れた。
しかしアレイの方は的が外れて、殺されることはなかった。どうやらノリーが彼女を撃ち殺したようだ。遠くから。
そしてまた電話がかかってくる。アレイはそれを握りしめて、スピーカー機能を作動した。
アレイは窓を潜って台所へ向かい、包丁を握りしめた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。