第46話

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2024/04/21 02:40
『耳がっ...!!』
サンズとエラーちゃんの言い争いより酷い耳鳴りがする。
そんな私に見向きもせず、カラスは物凄い剣幕で捲し立てる。
烏「何故ですか主様!?暫く振りの再開と、心踊らせこの場に飛んできたというのに...!任された役目が小娘のお守りだなんて...!!」
ガガーンという効果音がつく勢いで、カラスはリーパーさんに泣きすがった。
Re「暫くと言ってもたった五十年じゃないか。何を其程大袈裟に言う。」
ごじゅう、ねん......
五年だとしても相当なのに、五十年だと...!?
人間だったらもう人生の半分を過ごしている時間じゃないか!!
いや、でも私はどうせ死なないのか。
まてよ、...?寿命の場合はどうなるんだ.........
私があれこれと考えていると、また鼓膜が悲鳴を上げる。
烏「兎に角!私は断固拒否します!!例え主様の頼みでも、これは流石に......「勘違いをするなよ。」ッッ!!」
カラスの熱弁はリーパーさんの冷酷な一言により、すっかり鎮火してしまう。
Re「これは"頼み"ではなく"命令"だ。お前は主の命令に逆らうと言うのか...?」
彼の威圧感が肌をぴりぴりと伝う。
『(これは不味いのでは...?)』
烏は観念したようにがっくりと肩を落とし、私をキッと睨んだ。
殺意 嫉妬 憎悪 嫌悪 憤怒
その他感情が折々とした睨みを利かされ、思わず私は竦んでしまう。

死なない為にも、ある程度親しくなっておくのも一つの手だ。
だが、
烏「......」
『、』
絶対無理だこれ......!!
めっちゃ睨まれるしかといって目を合わせると逸らされるし!!
へなへなと先程まで腰掛けていた椅子に座り直すと、珈琲が私の前に置かれた。
『ありがとう』
烏「............」
お礼を言っても睨まれるのですが......
一先ず高ぶった気持ちを落ち着かせるため、置かれた珈琲を飲むと、
『苦いッッ!!』
やっぱり駄目だったか~......
Re「He,まだまだガキだな。」
激苦珈琲に四苦八苦していると、不意にカラスが砂糖を持ってきてくれる。
烏「主様は砂糖を入れる等邪道な事はせぬが、お前は違う。」
と無愛想に言って、私に砂糖をくれた。
そのカラスの様子にくすりと思わず微笑してしまう。
烏「何故笑う、!」
黒い顔を真っ赤に染め、あたふたと困惑するカラス。
『いや、君にも可愛い所があるんだなと思っただけだよ。砂糖、ありがとうね。』
そう言って微笑んで見せると、カラスはぽけーっと放心していた。
烏「小娘!私が砂糖を入れてやろう!」
はっと我に帰ってきたカラスかと思えば、いきなりそんな提案を持ち掛けた。
胸に手を当て自信に満ちた顔で私を見つめる。
『ふふ、じゃあお願いしようか。』
そう言うと、カラスは嬉しそうに飛び跳ねた。
Re「あなた、悪いことは言わない。やめとけ」
カラスがせっせと砂糖を入れる準備をしてくれている間に、リーパーさんがそっと耳打ちする。
『何故です?』
これには私も眉をひそめる。
折角カラスが自信満々に砂糖入れを引き受けてくれたのに、それは流石に酷くないか?
そんな事を思っているうちに、カラスが砂糖を入れ終えた様だった。
『ありがとうカラス。』
リーパーさんの役に立ちそうにない忠告を無視し、私はカラスが入れてくれた砂糖入り珈琲を一口飲む
『ブフッ、』
あっっっっっま!?!?
余りの甘さに吹き出してしまう所だった。
飽和状態を裕に超え、溶けきらなかった砂糖がジャリジャリと口の中で存在感を放つ。
まさかカラス、私を嵌めたのか...?
と思ってカラスを見ると、感想を聞きたそうに目をキラキラと輝かせていた。
駄目だこれ無意識な子だ。
その様子を見たリーパーさんは、やれやれと額に手を当てる。
烏「小娘、どうだ...??」
純粋な子供同然の眼差しを向けられ、私は思わず狼狽える。
『めちゃめちゃ調度良い加減で、  美味しかった デス......』
一般人にならバレバレのお世辞なのだろうが、カラスはそれを素直に受け取り喜びの舞を踊った。
『私今日にでも糖尿病になって死にそうです......』
Re「お前は死んでも死なねぇだろ。」

その通りなのが否めない.........
そんな事を思いながら、私は激甘珈琲を飲み干すのだった。







コップの水様
かみちゃん様
スポットライトありがとうございました!
山田 太郎様 二回もスポットライトくださってありがとうございます😌✨

最近上手く✂️切る所が作れなくて2000文字行きそうなの怖いです(現にもう行ってるっていう)
 な ん て お そ ろ し い ま も のは な し な ん で し ょ う 

もうそろそろでスポラ総計が100回行くっていうね。
 な ん て お そ ろ し い ( ( ( 殴
とまあ毎度同じみ(?)スポラ報告コーナーでした。

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