恋のし方なんて忘れてた。

初恋と片想いを拗らせ続けた私が、同じく片想いを拗らせていたユンギと新しい一歩を踏み出せるなんて。


『好きだよ』とか『付き合おう』とか

そんなドラマで見るような飛び跳ねちゃうセリフは無かったけど、慣れない私たちにはこれで十分だった。


それとももしかして

大人の恋の始め方って、こんな感じ？

つい吹き出してしまうと、ニヤついたユンギと目が合った。

なんでだよと言って私の足を掴んでくすぐろうとするから、必死で足をばたつかせた。
やってることは前と変わらないのになんでこんなに戯れるのが楽しいんだろう。

簡単に捕まった足に手を伸ばすと、そのまま手首を掴まれてグイと引っ張られる。
いとも簡単にユンギのひざの上に乗っかった。

さすがにこの体勢はしたことない。

私より少し下に位置するユンギの前髪から覗く目が私をじっと見つめる。

考えている私の髪をそっと撫でながら、優しく啄むキスが甘い。

こうやって私を甘やかして、ダメにさせて、果てしなく愛してくれる。

幸せなGiftを貰ったのは、私も一緒だよ。

自分の好きな人が自分を好きになってくれる、
そんな奇跡が私達にも起こった。

これからは毎年、贈り物（  Gift  ）を渡すたびに思うの

貴方と同じ気持ちで良かったって。

　Giftー大人の恋の始め方ー


fin.