手早く呪霊を片付けた後は、虎杖君と共にお気に入りのパン屋へ向かう。
何となく一緒に行く初めてはあなたさんとがいいなと思ってしまった。
私は彼女の何なのだろうか。
もちろん開いてなかった。
虎杖君は無念…と嘆いていたが、そりゃあそうだ。
朝の5時6時でもやってる店などコンビニくらいしかない。
少し安堵したのは気の所為だ。
目の前の虎杖君はムシャムシャとおにぎりを食べながら問う。
そして虎杖君は変なところで鋭い。
何もかも聞き出す気なのだろうか。
気が乗らないのはあるものの、話を聞いてもらいたいのも事実だ。
どうして私が虎杖君に相談事をしているのかが全くもって分からない。
気づいたら口が勝手に…というような事は私の人生の中ではほとんど0に等しい。
どうやら自分が思っているよりも彼女のことが気がかりなようだった。
________________
_____________
________
うーん…と悩む虎杖君をまじまじと見て、私はこの一連の出来事を彼に相談してよかったのか今更考えた。
いよいよ彼の言っている事が理解できなくなってしまった。
そんなこと、私の方が分からない。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。