私は困った様な表情を見せる、国木田さんとは反対に眼を輝かせている。
私は軽く胸を張りながら、拳で叩くと、自信満々に云った。
国木田さんから手渡された資料に眼を通し、実物と見比べる。
声のする方を振り向けば、其処には私のや、潤一郎さんを攻撃してきた男性が一人立っていた。
芥川の殺気に負けじと声を大きく発すると、芥川は小さく溜息を吐き、静かに話す。
芥川は大きく咳払いをすると、口元を手で覆った。
私はある意味、命拾いしたのかもしれない……?
私は敬語を使う気なんて、さらさら無いが、もしかしたら使った方がいいのか……?
今度は私が溜息を吐いたが、偶にはと思い、龍之介の名を呼んだ。
少しばかり、不安気に顔を顰める龍之介に背を向け、笑いながら云った。
振り返り、今度は確りと笑顔を見せると、龍之介は顔を背け、手で隠した。
すると次は怪訝そうな表情で私を見つめる。
龍之介は今迄に無い程顔を歪ませ、私の手首を強く掴み、引っ張ると、
唇に接吻された。
また次回
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。