テーマパークに到着し、真っ先にカチューシャを見つけてはしゃぐ詞音と私から離れようとしない輝音。
…本当に真逆だよなぁ。
詞音が私にカチューシャを差し出す。
輝音は渋々というように、頭にカチューシャを付ける。
「あの、すみません、私達もお写真いいですか?」
「あ、私も!」
私を押しのけて女子達が二人に群がる。
こんなところでもめちゃくちゃモテてる…
「……え?」
普段は写真撮影なんてウェルカムの詞音が珍しく断る。
てか、これピンク髪じゃなくないか?
「…連れってあの子?」
「なんか釣り合ってないよね…」
詞音に手を引かれて走る。
…多分、私が陰で言われてるの聞こえたから連れ出してくれたんだろうな…
この二人といると女子が黙ってないからねぇ…
輝音が珍しく私の手を引く。
輝音を見ながら二人でジェットコースターへ向かう。
まさか、今日の朝お母さんの手伝いしてたことのことを言ってるの…?
私なんであんなこと口走っちゃったの⁉︎
詞音が真剣な眼差しで言う。
…そろそろ、ちゃんと見つめてみないとな。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!