N O side
時は遡り、数十分前...___
重たそうに瞼を上げ、眠たげに起き上がる華楓
自身を包む、慣れない感覚に躰に目を向けると...
華楓の躰が包帯だらけだということに気づく。
大きめなシャツ(恐らく兄の服だろう)から覗く包帯は、所々血が滲んでいた。
華楓がベットの上で蹲ると同時に、
部屋に銃声が鳴り響く。
銃弾が窓硝子に当たり
硝子が派手な音を立てて、割れる。
冷たく、強い風が部屋の中へ流れ込んでくる。
華楓は目を見張った。
愉快そうに笑う雫の表情が「無」になる
華楓が身を引こうとした時には既に遅く
雫の愛刀「血の涙」の切っ先が、華楓の首筋に当てられていた。
雫の手に力が込められる
嗚呼、、、私は死ぬんだ
バイバイ。皆...____
刹那、黒い刃が華楓と雫の間の空間を貫き、雫は吹き飛ばされた。
その反動で、
首を押さえ付けられていた華楓は咳き込む。
雫はゆらりゆらりと躰をおこし、芥川を見てニヤリと笑う...それは、実に不気味な笑みだった。
外套を操り雫に攻撃を仕掛けてゆくも、
雫は軽やかにそれを交わす...。
そのような攻防が何度か続いた時、
部屋に大勢の人の気配が漂った。
広津を初めとする黒蜥蜴達は華楓の傍に駆け寄る。
広津がそういうと、銀、立原が切なそうに笑い、
頷いた。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。