第17話

謝らせて
1,308
2024/03/28 08:43

暇那津side
六奏 暇那津
六奏 暇那津
グスッ… ヒック…
六奏 珠孤豊
六奏 珠孤豊
落ち着いたかな?
六奏 暇那津
六奏 暇那津
コクッ…
ずっと、珠孤豊にだきしめてもらってた…
昔は、珠孤豊よりも湊禿にぎゅーしてもらうのがすきだった
でも………今は………
六奏 暇那津
六奏 暇那津
ッ………
六奏 蘭
六奏 蘭
那津、話してくれる…?
六奏 暇那津
六奏 暇那津
コクッ…
オレ、さ……
六奏 蘭
六奏 蘭
うん…
六奏 暇那津
六奏 暇那津
本当は………湊禿のこと、だいすき……
でも………〝あんなコト〟が、あって……
六奏 蘭
六奏 蘭
なるほどね…

湖叉姫がうまれてすぐ、母さんがしんだ
兄ちゃんが、「母さんたちが………ッ」って、すごい顔で走ってきて……
オレ達も、すぐにそこへ向かった
そこにいたのは、赤い水たまりでたおれてる母さんと、
その母さんの前で「ほうちょう」を持ってすわりこんでる湊禿
オレの目には、それしか見えてなかった
だから、湊禿がやったって思った
でも………
だんだん、イワカンを感じたんだ………

六奏 蘭
六奏 蘭
違和感…?
六奏 暇那津
六奏 暇那津
コクッ…
こんなに、きらってたのに、なんで………
〝ずっとわらってる〟のかな……って…
六奏 蘭
六奏 蘭
………
六奏 珠孤豊
六奏 珠孤豊
湊禿くんはね、自分に「暗示」をかけてたんよ…
六奏 鋳琉麻
六奏 鋳琉麻
「暗示」って……?
六奏 珠孤豊
六奏 珠孤豊
簡単に言えば、自分に言い聞かせること
湊禿くんはずっと………

「俺が悪いから」
「俺が居なくなれば、あの子たちを解放できる」
「ツラくても、弱音を吐くな」
「コレは、〝償い〟なんだから」
六奏 珠孤豊
六奏 珠孤豊
って……
毎晩のように言ってた
六奏 暇那津
六奏 暇那津
そんな……
オレがイジワルしたから………
オレが、きらってたから………
湊禿が………コワレチャッタんだ……
六奏 暇那津
六奏 暇那津
ッ………ポロポロ
六奏 鋳琉麻
六奏 鋳琉麻
ギュ…
那津、泣かないで……ナデナデ
六奏 暇那津
六奏 暇那津
にい、ちゃ……ッ
六奏 蘭
六奏 蘭
………
六奏 湖叉姫
六奏 湖叉姫
スゥ…… スゥ……
六奏 蘭
六奏 蘭
あれ、湖叉姫がいつの間にか寝てる…
六奏 珠孤豊
六奏 珠孤豊
まぁ、この状況やと寝ておいてもらったほうがええんやけどね……
六奏 珠孤豊
六奏 珠孤豊
それに、湖叉姫ちゃんには、ちょっと休んでもらわないと……
六奏 蘭
六奏 蘭
………そうだね
六奏 暇那津
六奏 暇那津
………?
泣き疲れたってコトじゃないのか……?
なんか、二人の言い方………気になる……
気になる……けど………
六奏 暇那津
六奏 暇那津
にいちゃ………
六奏 鋳琉麻
六奏 鋳琉麻
ん…?
六奏 暇那津
六奏 暇那津
だっこして…?
六奏 鋳琉麻
六奏 鋳琉麻
よいしょ…ヒョイ
話してくれてありがとな、那津
六奏 暇那津
六奏 暇那津
んぅ……
オレ、いい子……?
六奏 鋳琉麻
六奏 鋳琉麻
あぁ……いい子だ
一緒に、湊禿に謝ろうな ナデナデ
六奏 暇那津
六奏 暇那津
ッ………ポロポロ
う、ん……ッ
こわい………
おこられないかな……?
ギャクに、きらわれないかな…
こわい………こわい、けど……
オレのせいで、湊禿がコワレチャッタなら、あやまらないと…
六奏 暇那津
六奏 暇那津
ッ………
六奏 暇那津
六奏 暇那津
(ごめんなさい………〝湊禿兄ちゃん〟……)


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