「溺れてくその手にそっと口吻をした」
「薄笑いの獣たち」
「その心晴れるまで」
「爪を突き立てる 不揃いのスカート」
「夏の静寂を切り裂くような悲鳴が」
「谺する教室の窓には青空」
「そう 君は友達 僕の手を掴めよ」
ボクは君に手を差し伸べた。
君はボクの手さえ掴めばきっとそれで助かるさ
君は友達…………いや、それ以上にボクは君が好きだから。
「そう、君が居なくちゃ居場所なんてないんだよ」
ボクが君をいじめて、犯人ってバレちゃったから
君が「違うよ」って言って、そばにいてくれないと
ボクに居場所なんてないんだ。
「透き通った世界で愛し合えたら───」
ボクが天馬司を充分いじめたら
ボクもそっちへ行ってあげる。
だからその時は……
ボクを愛してね……、
司side
「繰り返す フラッシュバック 蝉の声」
そういえば
あいつがあなたの下の名前をいじめて5年が経ったんだ。
5年前の夏、アイツはあなたの下の名前をいじめの標的にした。
あなたの下の名前のことが好きだったからっていう理由で。
でもあなたの下の名前は命を落とした。
だから二度とあなたの下の名前はこちらに帰ってこない
「二度とは帰らぬ君」
「永遠にちぎれていく」
「お揃いのキーホルダー」
あなたの下の名前はオレたち……ワンダーランズ×ショウタイムの成長を
暖かく見守っていてくれ。
この、お揃いのキーホルダーをあなたの下の名前だと思って
オレは前に進んでくさ。
アイツらと一緒にな。
???side
「夏が消し去った 白い肌の少女に」
「悲しいほど取り憑かれてしまいたい」
ボクに悲しいくらいに取り憑いてもいいから。
いや、ボクがそっちへ行けばいいんだ。
君はボクもを道ずれにするんだね。
君は魅力的だから。
「透明な君は僕を指さしてた。」
今から、君のもとへいくよ。
🚃ガタゴト
キイイイイイ
(ドンッ)
本日午後4時半頃、踏切で人身事故が起こりました。
この事件は、5年前と同用の事故で、
警察は、関係性があると見て、捜査をしています。
今回の事件も、自殺と見て間違いないと思われます。
えむside
でもね
そこにはこう書いてあった。
えむちゃんへ
この書き置きがえむちゃんの元に届いてるなら
私はもう、この世界にはいないってことだね。
みんなを放って逝ったことは謝ります。ごめんね。
えむちゃんは、きっと司くんのことが大好きだったはず。
そんな思いを寄せながらも、
私の事を応援してくれてありがとう。
そんなえむちゃんが大好きです。
それで私は、そんな司くんが大好きな
えむちゃんにお願いがあります。
私の事を引きずっているであろう司くんが
スターになったら
えむちゃんには司くんの彼女になって欲しいんです。
私は司くんをえむちゃんに任せたいと思っています。
そんな司くんをえむちゃんに任せてもいいかな。
あと司くんにこれを見せて、
これと一緒に入ってたヤツを渡してください。
あなたの下の名前より。
司くんへ
大好きな司くんをおいて逝ってごめんね。
私はえむちゃんが司くんを好きなくらい司くんを愛してる。
本当はいじめのこと、司くんたちにも相談したかったんだ。
でも、スターになるために頑張る司くんやみんなの重荷に
なっちゃうんじゃないかって思うと相談できなくて……
これを君が読んでいるってことは司くんは
えむちゃんに告白されたってことだとおもう。
それと同時に君はスターになれたってことなんだろうな。
それを断るのは、私以外に好きな人がいるから……にしてね
私が大好きだから……っていう理由なら、
えむちゃんと私はその断りを断固拒否します。
必ず君は
私を愛したままでもなんでもいいから
えむちゃんと幸せになってね。
君ならスターになれると思ってたよ。
私もスターになった司くんのshowが見たかったな。
ありがとう。
あなたの下の名前より。
早速でごめんね、司くん。
(*>ω<)ω<*)ぎゅ〜♡
寧々side
類……には
彼女っていえる存在いるのかな。
いなかったら立候補したい。
大好きだから。
この気持ち、しっかり伝えないと……
……来てはくれたんだ。
ちょっと期待しちゃうよね。
振るなら来ないで欲しいかなって感じ。
いやまあ最初から告白だって決めつけるのよくないけどさ
うん。
よし、がんばろう。
うう…言えない……
あ、察されました??
まあ、そうだよねー
ちょっとここは違うこと言っておこう。
あぁ、お金がぁぁ(((
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。