予測変換
深夜、画面に灯る不自然な一文字
『あ』『だ』『い』――
朔間零から届く意味を成さない断片を、プロデューサーはただの打ち間違いだと信じていた
『 ただの打ち間違いじゃよ 』
そう笑う彼の瞳の奥に、終わりの予感が揺れていることにも気づかずに
一文字の先に隠された、零が決して選択しない予測変換
バックスペースで削除されるたび、彼が飲み込んできた愛の形
それは、いつか訪れる『離れ離れ』の日まで、
プロデューサーが知るはずのない残酷な恋の遺言だった
――その一文字は、綴られなかった『さよなら』の代わり
ー 628文字
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update 2026/03/09