大悪党
世界って、狭いなと思う。
学校も、家も、SNSも。
どこへ行っても、誰かが誰かを叩いている。
それを見て笑ってる奴らが、「普通」なんだって。
俺はずっと、それを井戸の底から眺めてた。
声を出すたび、泥が喉に入って、息が詰まる。
「正しいことを言えば、叩かれる。
黙っていれば、消える。」
そんな世界で、
誰かを助けようとする奴は、もういない。
だから、俺がやる。
俺がこの井戸を壊してやる。
世界が間違ってるなら、間違ってる俺が正しくしてやる。
その瞬間、スマホの画面に“送信完了”の文字が灯る。
井戸の底に、光が差した気がした。
――井の中の蛙、大海を知らず。
でも、空の青さくらいは知っている。
ー 877文字
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update 2025/11/23