「 巡り逢ふ。 ~桜の散る、その時に。~ 」
春になると、あの事を思い出す。
美しく咲き乱れる花々、心地よい風が吹き抜け、草木がその身を揺らす……
特に目を引くのは、真ん中に立っている、大きな桜の木。
通称、” さくらの原っぱ”。
唯一心を休められた場所だった。
そこで出会ったのが、君だった。
突然話しかけられて驚いたけど、一緒に話してるとすごく楽しくて…、
いつの間にか、日が落ちかけてることもあったなぁ……、
四葉のクローバーをくれた時の笑顔、本当に忘れられない。
花冠を被せてくれた時…顔がほんのり赤くなっていたの、知っていたよ。
今、どこにいますか?
ずっとずっと、この桜の木の下で待っていますよ…
だから…どうかお願いします、
「 もう一度、会わせて下さい…ッ 」
神様は本当に、残酷です。
ー 1,903文字
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update 2023/09/27