きっつい練習をやってたら、いつの間にか外が夜になってた
俺らバスケ部はすぐさま風呂に入って、今は風呂から上がったところや
練習の疲れからかもう布団に入って寝ようとしとる奴もおれば………
こうやって恋バナして騒ぎまくってる奴もいる
あなたの名字は布団にうずくまって耳を塞いでる
どうやらあなたの名字も眠りを邪魔されてイライラしとるみたいやな
あの練習をしてどこにそんな騒げる体力が残ってるんよ…
うわっこっちまで先輩たちのとばっちりがきたよ
センラが「へぇ~」みたいな顔して話に乗っかってきた
うらさん、志麻先輩に俺のこと話してたんか
ここで言ったら面倒いことになるよな…
「誰!?どんなやつだ!?」って絶対質問の嵐
チラッとあなたの名字を見てから俺は嘘をついた。
俺の読み通り、俺に好きな人がいないと知った先輩たちは俺から興味をなくした
志麻先輩の何気ない一言でバスケ部の視線が全部センラへと向けられた
正直俺も気になる
センラに好きな人がいればあなたの名字は諦めて俺の方に振り向いてくれるかもしれん
みんなに期待されてセンラは気恥ずかしそうな顔しとる
なにモジモジしてんねん、はよ言えや!!
ゴクリ…
センラの言葉を待ってる俺らは唾を飲み込んだ
驚きの事実過ぎてつい俺が一番先に驚いてしまった
まさかほんまにおるとは…!
センラは照れくさそうに苦笑いで答えた
いつの間にかあなたの名字が起き上がってセンラに迫りよってた
まぁそりゃ好きな人の好きな人は気になるわな
なんだこいつ
センラのふざけた解答についイラッとして殴りたい気分になった
だっっから俺こいつ嫌いやねん!!
あなたの名字を見ると、誰だか聞けずむずむずしながらも、どこか少し安心した顔をしとった
期待を裏切られた俺らは諦めて寝ることにした
志麻先輩が部屋の明かりを消す
辺りが急に真っ暗になるとそれと同時に俺の眠気がふっとやってまぶたが重くなった
明日も練習あるしな…
このまま目閉じて大人しく寝よ
そうして俺は「いい夢を見れますように」と願いながら眠りに落ちた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。