第23話

夏合宿 1日目
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2023/01/04 02:02
いつの間にか夏が来て、いつの間にか明日から俺らが大好き夏休みがやってくる


どいつもこいつも浮かれムードや


それはあなたの名字も例外やない
あなた
坂田、お前夏休みどうするんだ?
言葉からはあまり楽しみじゃなさそうやけど、あなたの名字のお尻の方にもの凄く横に振ってる尻尾が見える
坂田
夏休み…俺はゲームして寝てゲームして寝ての繰り返し
あなた
お前wそれじゃニートじゃんww
あなたの名字は俺の完璧な予定を軽くあざ笑ってきやがった


なんとでも言え


別に外で遊ぶのも個人の自由やしいいけどさー


やっぱ家でゴロゴロすんのが1番充実した夏休みなんよ


俺らが明日からの夏休みについて話してると、後ろから志麻センが話しかけてきた
センラ
2人とも夏休み楽しみにしてるところ悪いんやけどぉ…
志麻
俺らバスケ部に夏休みないから
あなた
………え
坂田
………は?
そして、俺らは今合宿の真っ最中や
志麻
…そこさぼんな!!
坂田
う、うぃーっす!!
筋トレを少しでもサボると志麻先輩にすげー怒られる…
バスケ部員
なんでわざわざこっち来てまで筋トレなんかしなきゃいけねぇんだよ…
バスケ部員
それな…海行きてぇよ海
志麻
はいそこあと腕立て20回!!
バスケ部員
えぇー!!?!?
そう、俺らが合宿をしているのはいつもの場所やない


海が近い志麻先輩の実家でやらせてもらってる


志麻先輩の実家は意外にもちよーデカイ


実家に体育館とかありえんやろ!!


この金持ちがっ!


俺らがしばらく練習してると体育館の入り口の方から声がした
志麻ママ
はーいみなさーん、お昼ご飯ですよー!
バスケ部員
やった!やっと飯だぁ!!
俺らはもの凄い勢いで志麻先輩のお母さんの元へ駆け寄った
志麻ママ
は~いたくさんあるから遠慮なく食べてな♪
おぉ!この人は女神かなんかか!?
俺は女神から遠慮なくおにぎりを受け取った


パクッ
坂田
ん~!!うめぇ~!
ただのおにぎりがここまで美味しく感じるのは初めてや!


部員がみんな志麻ママに集まっているのをよそにシュート練習をし続けている奴がおった
坂田
あいつ…
シュートを打つ姿はとても綺麗で髪の毛を滴る汗がそれを引き立てとる


あいつ飯だっていうのにまだ練習やんのかよ……
センラ
綺麗やなあのフォーム
坂田
!?!?
俺があなたの名字にみとれとると、背後から大量のおにぎりを抱えてセンラが話しかけてきた


俺はびっくりして身構えた
坂田
なっ!驚かすように話しかけてくんなや!うらさんかお前は…
センラ
?別にそんなつもりなかったわ
別にそんなつもりは…ってうらさんと言い訳まるっきり同じやんこいつ
センラ
そんなことよりも……なんであんなにあなたの名字が練習しとるか知っとる?
あなたの名字の自主練習の理由?
坂田
バスケが好きだからやろ
お前が好きでバスケ部入った結果…いつの間にかバスケも好きになっとったってことやろ?


あとはお前と一緒に試合に出るためとか…
センラ
ちゃうって
俺のアンサーにセンラは真剣な顔して関西弁でバツを付けてきた


俺には他の理由なんて思いつかへんよ
センラ
お前に置いてかれるのが嫌なんやって
?俺に置いてかれる?
センラ
後から入部してバスケの経験も浅いのに、日に日にどんどん強くなって…
センラ
いつか自分を追い抜かされて、お前の隣に立つのが恥ずかしくなっちゃうんって心配しとんのよあなたの名字は
坂田
だからあんなに練習を………
俺とセンラが話してる間にもあなたの名字はシュート練習を絶え間なく続けてる


馬鹿やなーあいつ


そんなこと心配せんくても俺はお前のこと追い抜くことなんてできんのに


身長とそれなりの体力と技術でなんとか隣に立ててるのは俺の方や


俺より身長低いのにほぼ百発百中でシュート決めて、素早いドリブルでゴール付近まで攻めてくれてるお前の方が凄いわ
センラ
自主的に練習するのは関心するけど…
そう言いながらセンラは俺に大量のおにぎりから数個俺に投げ渡してきた


俺は慌てて全て落さんように抱えた
坂田
なにする__
センラ
それ持ってあなたの名字のとこ行ってやれって
坂田
……言われなくても
俺はそれだけ言ってあなたの名字のところに走った


なんでそんなことセンラが知っとったのかは知らんけど








少しあなたの名字がセンラのことが好きな理由が分かった気がしなくもない

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