海にはたくさんの家族連れやカップルがおった
海の家もそのおかげで忙しそう
周りがキャッキャ遊んでいる中俺らは砂浜で永遠と走っとる
そのおかげで俺は今にも死にそうや
先輩はこの世の絶望だと言わんばかりの顔をした
馬鹿なのかバスケ部は?
海があるのに砂浜でひたすら筋トレ&ランニングって学校でもできるやん
このランニングだって終わりが見えんし……
先輩の気持ちに激しく同意する
俺も海水あびてぇよ…
俺らが話ながら走ってると突然前の人が走るのをやめた
先頭を走ってた志麻先輩に怒られてしまった
だって海は入れなくてイライラしてんだもん!……というのは心にとどめて俺は黙った
すると、部員の1人が声を上げた
お!良く言ってくれた!
それに続けて他の部員も「そうだ!そうだ!」と言いだした
海騒動を見た志麻先輩とセンラはため息をこぼした
鍛えているところが違う…?
う~ん…長々と話されたからだいたいのことしか頭に入ってこんな()
でも分かったことがある
意外と志麻先輩考えてメニュー作ってんやな
確かにいつもより走りにくいからバテるのが早い…
あんなに海海騒いでた俺らだが、志麻先輩とセンラの話を聞いたらなにも言い返すことができずにただただ頷くことしかできんかった
と、ここで1人の部員が喋り出した
まさかの救世主や…
今ならあなたの名字がとても輝いてるよう見える!
それに付け足すようにセンラが言った
志麻先輩はしばらく眉を寄せて悩んだ
頼む!俺らは海に飢えているんや…!
海へ入れる許可が出た俺らは肩を組み合って喜んだ
ここまでくると志麻先輩って部活バカじゃないかと心配してくる
でも海に入れるならしゃーなしやな
この時用に水着持ってきてよかったぁ~
そうして今日は急遽自由行動になった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!