近 く て 遠 い 君 は 。
「 いつも僕らって一緒だよね 」
何も考えていないような、そんな君の問いを、私は苦笑いしながらも頷く。
幼馴染という便利な肩書きは、君の一番になれる特等席であると同時に、それ以上の関係を拒む呪縛でもあった。
人気者でなんでもできる、いわゆる天才である君は、赤く染まった夕暮れの空を見る。
そんな君の背中を私は見つめる。
こんなに近くにいるのに、こんなに好きなのに、思いが伝わることはない。
「 ねぇ、無一郎__、好き ボソッ 」
そんな私の小声は聞こえるわけもなく、切ない帰り道の空に消えてゆく。
隣りにいるのに、世界で一番遠い。それが私達の距離だった。
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update 6日前