水平線の向こう側、地図にない島にて
海鳴りのなかに取り残されたような、
奇妙な静寂だった。
波飛沫を上げる木造船から、
父に背中を押されるようにして未知の土を踏む。
「ここで一週間、過ごしてみるといい」
父の言葉はそれだけだった。
俺が荷物を抱えて振り返ったときには、
船はすでに白い航跡を残して、
霧の向こうへと遠ざかっていくところだった。
地図のどこを探しても、
こんな島は載っていなかった。
周囲の海は、
どこか現実離れした深い碧色をしている。
ーーこれは俺が、自分の未来を選択する物語。
【 新しい世界へようこそ。明。 】
ー 4,305文字
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