第5話

Episode4
153
2025/10/08 09:02 更新
夢を見た。

僕と君が、この先ずっと幸せに生きている。

2人で大人になって、2人で老いていく。

ずっと、ずーっと、どんな瞬間も幸せで。




シアワセなんて。





ー⋯僕らにあるはずないのに。




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夢みていた。

誰にも好かれる主人公ヒーローなら。

こんな、汚くて醜い俺らでもちゃんと救ってくれるかな?

そんなことを話していた日々。

そんな期待でもしないと、俺らは生きていけなかった。



馬鹿だなぁ





シアワセになんて。






ー⋯なれるはずないのに。



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ふと、目を覚ます。

隣に、君の気配がする。

久しぶりにちゃんと眠れた気がした。

君を起こしたくなくて、僕は繋いだままの手をほどかなかった。

じっと、君の寝顔を見つめる。

あどけなくて、穏やかな表情。

そっと君の胸に手をおいた。

ー心臓の鼓動を確認して、僕は安堵する。


⋯生きてる。

僕も、君も。

2人きりで。

2人だけの世界で。

息苦しい世界で。

自由な世界で。

ちゃんと、息をしている。

ちゃんと、生きた。

だから⋯
るぅと
ずっと、僕は君の味方だよ

どんな夢をみているのだろうか。

君は、時々嬉しそうに笑みを浮かべ、

時には辛そうに顔をゆがめた。


苦しくなる。

君をずっと苦しめていたのは、

世界でも、大人でも、クラスメイトでもなくて。

本当は全部、


自分が、僕が悪いんだって。
るぅと
ごめんね⋯莉犬
莉犬
⋯るぅ、ちゃん⋯?
僕の声に反応するように、莉犬が薄く目をひらく。

まだ眠たげな目で、ふわふわとした顔で、柔らかい表情で、莉犬は優しく僕の頭を撫でた。

るぅと
⋯りいぬ?
莉犬
⋯ふふ、るぅちゃん、だいじょぶだよ
るぅと
⋯えっ
莉犬
俺、るぅちゃんが居てよかった。
るぅちゃんは、悪くないよ

みんな、心のどこかでは自分は悪くないと思っている。

自分のせいじゃない、自分は悪くない。

みんなに認めてほしくて、嫌われたくなくて。

だから、人は汚い自分を隠す。


ーだけど。
るぅと
⋯莉犬だって、悪くないよ

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