そもそも朝の五時から移動なんて聞いてない。
お館様は私たちを殺す気なのだろうか。
十一時間はふざけてると思う。
「馬車って何?」と首を傾げる時透くんに、
「お金は私が払うから」と告げて、
私は、近くにあった馬車の方へかけて行った。
私たちが屋敷を出てはや二日。
私の故郷「星ノ尾村」に到着していた。
「村」と言っても、その惨状は悲惨なものだった。
あらゆる家は屋根や壁が破壊され、苔が生えている
人の気配はせず、代わりに何体もの鬼の気配を感じる。
そう言い、時透くんはこちらをじっと見る。
私は、この「星ノ尾村」で産まれた。
「村」と言っても、人は多くなく、
だからこそみんな仲が良くて、私もよく食べ物を御裾分けして貰ったり、歳の近い子と遊んだりしていた
何より、ここは星が綺麗だった。
でも、そんな幸せがずっと続くとは限らない。
ある日。今から数年前の夜。
その日は流星群だった。
私は一人、村の外れで星を見ていた。
少し肌寒くなってきて、家に帰ろうと歩き出した時
感じたことがないような冷たくて、恐ろしい気配を村から感じた。
今帰ったらいけない。
そう私の本能が言っていた。
唐突に発せられた言葉。
その意味が理解出来ず、私は首を傾げた。
この時、いつも何処か虚ろな目をしている彼は、
珍しく眉根を寄せていた。
時透くん。私もね、最初は泣いたよ。
悲しくないわけないじゃん。
とっくに涙は枯れてる。
もう並の事じゃ傷つかないし、泣かない。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。