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第10話

無自覚の罪
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2026/02/28 22:00 更新
阿部亮平は悩んでいた。
そして、廊下に立ちすくんでいた。
ゆり組に励まされ、アドレナリンドバドバで
駆け出した1分後である。
阿部ちゃん
阿部ちゃん
やってやんよ!とは言ったものの…
何をすればいいんだ?
冷静になって考えてみると、
自分が何するべきなのかもわかっていない。

ごめんなさい、翔太、舘様…。
阿部ちゃん
阿部ちゃん
(とりあえず…)
佐久間と、次のキスガチャについて
話し合うべきだろうか。

同意さえ得れば、キスできるもんな…。

おっと危ない。このままだと暴走しかねない。
落ち着け俺。


ふぅー、と深呼吸する。
阿部ちゃん
阿部ちゃん
(佐久間どこかな)


そして、佐久間を探して歩きだした。


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そうして阿部ちゃんが歩きだし、
ゆり組が回想にふけっていた頃-。


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康二
康二
ごめんなさい
俺は楽屋に正座していた。
目の前で仁王立ちしているラウールは、背の高さも相まってほんまに怖い。ほんまに。ちぎられそう。
ラウール
ラウール
康二君さぁ
急に名前を呼ばれ、俺は背筋を伸ばす。
康二
康二
はい。
ラウール
ラウール
どうしてあそこで曲始めさせるかな?
口元は笑っているが、目が全く笑っていない。
視線を合わせるのが怖くて、床を見つめる。
康二
康二
そろそろかと思って…
ラウール
ラウール
キスガチャだったよね?
康二
康二
はひ
ラウール
ラウール
阿部ちゃんと佐久間君が!しようと!してただろ!!!
康二
康二
ごめんなさい!!!
ラウールはライブが終わってからずっとこの調子。

俺がオレンジKISSの音を促したから…。
照
いやでもさぁ、あのまま曲始まらなくても、多分阿部キスしてなかったよね
深澤
深澤
確かにそうかも
少し離れて見守っていた照兄がぼそっと言う。
ラウール
ラウール
ちょっと2人ともぉ!わかんないじゃんそれは!
ラウールは両親の方を振り向き、口を尖らせた。
ラウール
ラウール
絶対いい雰囲気だったって…
阿部ちゃんとさっくんのキスの邪魔をした俺が、許せない様。
康二
康二
そんなつもりはなかったんや…
無自覚ながら申し訳なく、うつむく。
ラウール
ラウール
佐久間君が阿部ちゃんのこと好きなのわかんないの!?
康二
康二
ごめ…
ん?
康二
康二
さっくんが、阿部ちゃんのこと好きやて?
ラウール
ラウール
どうみてもそうでしょ
突然の情報にあたふたする。
全くわからんかった。え?そうなん?
ラウール
ラウール
しかも阿部ちゃんだって…
蓮
そろそろ許してあげて、ラウール
穏やかな声が後ろから聞こえて、顔を上げる。
康二
康二
めめ!
深澤
深澤
…と佐久間!?!?
ラウール
ラウール
え!?
めめの後ろから、ひょこりとピンク頭が覗いた。
横に並んださっくんは、落ち着きなく視線を泳がせている。
ラウール
ラウール
きぃー………こえてた?
蓮
うん
ラウール
ラウール
やらかしたぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
ラウールが膝から崩れ落ちる。
深澤
深澤
えっやばいやばい
息子の失言にあたふたしている奥さんをよそに、照は苦笑いを浮かべた。
そして、めめに向かってぐっと親指をたてる。
照
めめ、ナイスタイミング
めめも小さく返した。
一体何がなんだかわからへん。
佐久間
佐久間
俺…そんな分かりやすい?
ようやく口を開いたさっくんは、いつも通りのはっちゃけた顔をしてはいるが、若干耳が赤い。
康二
康二
てことは、ほんまに…!
佐久間
佐久間
いや~うんまぁ、好き…なんだよね~
ラウール
ラウール
たぁぁぁ~甘酸っぺぇぇ~~
ぶんぶんと頭を振っているラウールはおいといて。
この場で、さっくんが阿部ちゃんに想いを寄せていると言うことを知らなかったのが自分のみだと気づかされ、ショックを受けた。


さっくん、口調はふざけてるけど…
康二
康二
えそれは恋愛として?
佐久間
佐久間
…恋愛として
康二
康二
恋として?
佐久間
佐久間
恋として
ラウール
ラウール
純愛!!
康二
康二
いつから?
佐久間
佐久間
デビュー前から
康二
康二
ぬぉぉぉぉぉぉ嘘やろ!?!?
ラウール
ラウール
ほんとになにもわかってなかったんだ…
康二
康二
確かになんかすごい絡むな!みたいな!仲良いな!みたいな!思っとったけど!
床に突っ伏す。

さっくんの声のトーンは…本気や。

俺はなんてことをしてしまったんだろうか。
康二
康二
純愛、邪魔してもうた…
そりゃラウールも怒るわ。
人の恋路を邪魔するのは最低や。
無自覚は時に罪になるって、誰かが言ってるの聞いたことあるし。
康二
康二
さっくん…ごめん


さっくんをまっすぐ見ることができず、
俺は膝の上で握りしめた自分の拳を見つめた。











関西弁は難しいです。
変なとこあると思いますごめんなさい…

今回もありがとうございました!

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