第22話

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2026/01/21 08:00 更新
6人での撮影から一日置いて、今日。
俺ん家に約束なく集まってくるのは良いよ、もう日常になったのよ。
1人1品持って来るから晩飯と酒には困らないし。
自分じゃ選ばないジャンルの音楽や映画の面白さを教えて貰えたし。
話したけりゃ話すし、寝たけりゃ寝るし。
皆が落ち着けてるならいいかーって。

でも今夜は、これまでとは全然違ってた。

―――――


今夜、最後にインターホンを鳴らしたのはきょも。
廊下が寒かったのか、ベンチコートのフードを被ってた。

「こんばんわー、遅くなっちゃった。皆、来てる?」
「きょもが最後だよ」
「そっか~」
「晩飯食った?」
「食べてきたよ。後でお風呂だけ貸してね」
「わかっ…あええぇぇ!?」

きょもがフード付きアウターを脱いだ瞬間、ヘンな声が出た。

白い大きめの三角みみ、白地に銀のしまの伸びやかなしっぽ。
ゆらゆら動いてるのは作りものじゃないってことだ。

「え、え、マジ…?」
「あっはっは、サプライズ!」

きょもが俺の首に抱きついてきた。
壁に背中をついて支えると、頬をぐりぐりと押し付けられた。
色素の薄いみみの内側はキレイなピンク色だった。

「夕べ生えた!」
「おおう…」
「びっくりした?びっくりした?」
「そりゃびっくりするよ!マネージャーからも連絡ないし!」
「口止めしてたから」
「みんなは知ってんの?」
「さあ?」

ドタバタした足音を聞いてリビングから出てきた皆が、きょもの首根っこを掴んではがしてくれた。

「オレらも今知ったんだわ」
「この際さっさと決着つけましょ?」
「ココは寒いよ、早くリビングにおいで~」
「…こっちだ」

妙に深刻な表情の髙地に手を引かれてリビングに戻る。
きょもを迎えに出た短い間にソファの背は倒されて、セミダブルサイズのベッドになっていた。

「慎太郎はここな」

ソファベッドの真ん中に座らされて、扇のかたちに取り囲まれた。
よく見ると顔が強張ってるのは髙地だけじゃなかった。

玄関に行ってる間にケンカしたん?
こんな雰囲気のままで一日終わるのやだなぁ…。

きょもは俺と同じく、4人の状況がわからないはず。
コイツらどうしよう?と目配せをした途端に、ずしりと膝に重みがかかった。
ほんのり温かい手で顔を包まれて、ふわふわでやわらかなものが唇に触れた。

「し~んたろ~」
「ふぉ!?」
「「「「あぁー!?」」」」

きょも?
きょうもとさん?
アナタイッタイナニヲ?

「ふふ、懐かしいね。昔みたい」
「昔みたい!?」
「どういうこと!?」
「シタことあるの!?」
「慎太郎は抵抗しなさいよ!されるがままになってちゃダメでしょ!?」
「…」



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