私は大きく息を吸う。
そして
教室のドアをバンッと開け
と、デカい声で愛しの硝子におはようの挨拶をする。
と、手をぐーぱーさせる。
と、硝子は優しく頭をぽんぽんしてくれる。
男気硝子かっこ良ッッ
なんて考えてるとガラガラと音がして
と、傑に抱きつく。
私はホントわかりやすい。また今日も抱きついてしまった。
と、後ろから来た悟にチョップをくらう。
煙草を吸い終わり硝子が言った。
と、硝子に続いて傑も。
私は あっかんべー と悟にする。
と、悟は大きく口を開けて笑う。
そんな日がずっと。続くと思っていた私は馬鹿だった。
呪術師は常に死と隣り合わせ。
術師が呪詛師になる可能性だって少なくはない。
恋なんてしてる暇は無いのに。
私は彼に恋をしてしまったんです。
彼は真面目だし、とても善人。
黒くて長い髪をいつも結んで。少し垂れた前髪をいじられるのだけは嫌がる。
少しクズな所もあるけど、やっぱり根は優しい人。
惚気けていられるのはこの時だけ。
とてつもなく大きな悲劇が私達に襲いかかる事をこの時はまだ―――。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!