第66話

#48
3,803
2025/07/31 14:10 更新



あなたの下の名前side_




あなた
あっつ、
成瀬 タコ
もうすっかり夏だね
あなた
ね、この前まで春だったのに





そんなことを話しながらドアを開け外に出る。

もわっとした生ぬるい空気が肌を覆い、

どこからか聞こえてくる蝉の声に夏を感じる。

視界に広がるのは、夕日の色で染められた橙色の空。

あと数時間もすれば日も落ちて暗くなるだろう。




あなた
楽しみだね!
あなた
"お祭り"





私たちは今から夏祭りに行く。

夏祭りというか花火大会というか。

夏と言ったら、という行事だ。

せっかくなら、ということで

慣れない浴衣を着て下駄を履いている。

もちろん私だけではなくみんな揃ってだ。




音鳴 ミックス
俺お祭りめっちゃ好きなんよな
あなた
音鳴はイメージ通り
あなた
レダーが一番似合ってない
レダー ヨージロー
酷くね?!w
音鳴 ミックス
でも分かるわ
レダー ヨージロー
おい?





そんな話をしながら、

夏祭りが行われる川沿いへと

下駄の音を響かせながら向かう。




あなた
…てかみんな浴衣似合ってるね
牢王 蓮
マ?
あなた
あなた
浴衣姿かっこいいよ
牢王 蓮
……





隣を歩いていて急に立ち止まったかと思えば

両手で顔を覆う蓮。




あなた
…?何止まってるの?
あなた
早く行こうよ
成瀬 タコ
…またやってるわ
芹 沢
無自覚
刃弐 ランド
あなたの下の名前、俺もかっこいい?
あなた
え、?うん、
あなた
…え?
レダー ヨージロー
はい俺のあなたの下の名前困らせないでくださいー
刃弐 ランド
いやレダーさんのじゃないから
あなた
…ねぇ、早く行こうよ
レダー ヨージロー
はいすみません


















あなた
うわぁ、





視界いっぱいに拡がるオレンジ色の灯り。

左右に屋台があり、奥までずらっと並んでいる。

焼きそば、かき氷、ベビーカステラなどの食べ物系、

その他にも、

射的、金魚すくい、輪投げなど遊び系のものもある。

道はたくさんの人でごった返していて、

少し油断したらはぐれてしまいそうなくらいだ。




あなた
人やばいね、
成瀬 タコ
はぐれないようにね
あなた
うん





どうにかはぐれないよう、

前を歩くみんなに必死に付いて行く。




あなた
下駄歩きづら、





ただでさえみんなの方が一歩が大きいのに加え

普段履かない下駄を履いている為、

付いて行くので精一杯で。




あなた
ぁ、やば、





本当にはぐれないように気をつけないとな、

なんて思っていると、

横にいた人が無理矢理体を私の前に押し込んできて。




あなた
どうしよ、ッ、





グイッ




あなた
ぉわっ、




牢王 蓮
ちゃんと掴んでて




あなた
ぇあ、うん、





やばい、そう思った瞬間、

斜め前の方からぐいっと腕を引っ張られ、

目線をやるとそこには蓮がいて。

「ちゃんと掴んでて」と言い、

掴んでいた私の手首から手を離し、手を繋ぎ直す彼。

私よりもずっと大きい手のひらで

しっかりと私の手を握っている。




あなた
ありがと、
牢王 蓮
あなたの下の名前は危なっかしいから
あなた
…子供扱いされてる?私
牢王 蓮
15歳だっけ
あなた
20歳!!
牢王 蓮
ッ嘘だわw 冗談w





私だってもう立派な大人なんですけど?!

そう思いながら、

前を歩いているケラケラ笑っている蓮を軽く睨む。




あなた
…ほら早く歩いて
牢王 蓮
え、俺急かされるマ?





「そんなことある?」と言いながら歩いていく蓮。

ぎゅっと握られている手を眺めて、

蓮もイケメンなことするんだな、

なんて思いながら彼の後ろを付いて行った。














プリ小説オーディオドラマ