殺人鬼は、暇していました
コロすにしても、そりゃヒトがいないとコロせない
動物はもう物足りない
"殺人鬼"の情報が出回り、外にヒトがいなくなってしまったのです
どうしても誰かをコロしたい
外にヒトはいません
連絡して会ってくれる身近なヒトも、もう全員コロして、
なかったようです
殺人鬼はスマホを取り出し、気味の悪い笑みを浮かべて、すいすい操作していきました
殺人鬼は、ある夜の公園にいました
ベンチに座って、隣には、同い年ぐらいの女青年
なんだか少し、気まずそうでした
殺人鬼がそう問い掛けると、女青年は、ゆっくりと頷きました
殺人鬼は、少し落ち込んだような表情をしました
そして、顔を上げ、女青年に目を合わせて、言いました
女青年は、また、ゆっくりと頷きました
女青年は、静かに涙を流していました
殺人鬼は、悲しそうに目を伏せました
次の瞬間、この雰囲気は砕け散ります
女青年の腹部に、ナイフが刺さったのです
女青年は理解できないという風に、震えた目で殺人鬼を見る
必死に息をしていますが、逆効果
傷口からどんどん紅い液体が出てくるばかりです
殺人鬼はナイフを抜くと、今度は胸辺り目掛けて振り下ろしました
女青年は悲鳴を上げ、大粒の涙を溢していました
女青年の今の涙は、さっきの涙と、程遠いものでした
殺人鬼は心底楽しそうに女青年を見ていました
しばらくして女青年が動かなくなると、殺人鬼は呟きました












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。