第8話

ダイスキでした
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2025/06/10 09:00 更新






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………




殺人鬼は、暇していました








コロすにしても、そりゃヒトがいないとコロせない








動物はもう物足りない












"殺人鬼"の情報が出回り、外にヒトがいなくなってしまったのです


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あ"あ"あ"~ッッ"!!


どうしても誰かをコロしたい










外にヒトはいません











連絡して会ってくれる身近なヒトも、もう全員コロして、




















































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……あぁ!




























なかったようです












殺人鬼はスマホを取り出し、気味の悪い笑みを浮かべて、すいすい操作していきました











































ダイスキだったヒト
……ひ、久しぶり、だね、
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……うん、



殺人鬼は、ある夜の公園にいました








ベンチに座って、隣には、同い年ぐらいの女青年










なんだか少し、気まずそうでした

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俺のこと、もう、聞いてる?


殺人鬼がそう問い掛けると、女青年は、ゆっくりと頷きました

ダイスキだったヒト
うん、
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……そっ、か
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………



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俺、事情があって、
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こんなこと、してるんだけど、
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やっぱ、

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………警察に、行くべき、だよね、
ダイスキだったヒト
そう、だね、……
殺人鬼は、少し落ち込んだような表情をしました








そして、顔を上げ、女青年に目を合わせて、言いました

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じゃぁさ、
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最後に、俺の想い、聞いてくれない…?


女青年は、また、ゆっくりと頷きました





































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俺、君のことが、好きだった
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ずっと昔から、片想いしてたんだ
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嫉妬だってしたし、目が合っただけで嬉しかったし、
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君の隣に、俺がいることで、君が幸せになれたら、
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……なんて、考えたりもした
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でも、告白して、フラれちゃって、
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距離をとるようになっちゃって、

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………寂しかったし、悲しかったなぁ
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それからしばらく連絡とってなくてさ、
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今日、久しぶりに逢えて、嬉しかった!








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俺の気持ちは、ずっと変わらないまま
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君のことが、大好きです
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この気持ちは、忘れないでほしいな、



女青年は、静かに涙を流していました








殺人鬼は、悲しそうに目を伏せました








































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だからさ、


























次の瞬間、この雰囲気は砕け散ります














































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俺のために、コロされてくれない…?
ダイスキだったヒト
へッ…?






女青年の腹部に、ナイフが刺さったのです















女青年は理解できないという風に、震えた目で殺人鬼を見る
















ダイスキだったヒト
ぇ"ッ……ん"ぇッッ"……?
ダイスキだったヒト
ま"ッッ"…!




必死に息をしていますが、逆効果









傷口からどんどん紅い液体が出てくるばかりです



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あはッ!
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ごめんねぇ騙しちゃってッ!
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もう君ぐらいしかいなかったんだよッ!
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まだ俺のこと信じてくれるヒトッ!









































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ねぇッもっと苦しそうな顔してッ?♡
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もっとッもっとッッ"♡




殺人鬼はナイフを抜くと、今度は胸辺り目掛けて振り下ろしました







女青年は悲鳴を上げ、大粒の涙を溢していました








女青年の今の涙は、さっきの涙と、程遠いものでした



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あはッ♡
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ッはははは♡



殺人鬼は心底楽しそうに女青年を見ていました































































































しばらくして女青年が動かなくなると、殺人鬼は呟きました




















































































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……ダイスキだったよ

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