「…さん、…もと、さん、京本さん!!!」
「…あ…、すみません、寝てましたか?」
「いえ、大丈夫ですよ。お疲れですか?」
「いや、少し睡眠不足なだけです。心配かけちゃってすみません。」
「…そうですか、体調悪かったらすぐに言ってくださいね。スケジュールも調節できるので」
「…ありがとうございます。それじゃあ、また撮影が終わり次第連絡します」
黒いボディーを見送り、自分の火照って鉛のように重い体を必死に動かして撮影場所に向かう。
この撮影が延期になってしまうと、カメラの方、照明の方、メイクの方、その他にもたくさんの人に迷惑がかかる。
絶対にバレないように。
それでも、実際に撮影が始まるとアドレナリンと集中で、朝までの熱さも怠さも感じなくなった。
とりあえず目の前の仕事を全神経を集中させてこなしていく。
「はい、以上で終了です!京本さん、今日もすごく良かったですよ!ありがとうございました。」
「いえ、そう言っていただけて嬉しいです…!こちらこそありがとうございました!」
何事もなく個人の仕事を終え、マネージャーの車に乗り込む。
後は5本分のYouTubeを撮れば家に帰って休める。
今日中に終わればいいな、と淡い期待を胸に現場に向かう。
-----
「久しぶり」
慎「きょも!!!」
ジェ「たいがぁ!寂しかったよぉ…!」
樹「きょも、久しぶり。最近忙しそうじゃん。ちゃんと休んでる?」
「うん。大丈夫。心配してくれてありがとう。」
高「やっぱ6人でこそSixTONESだな。久しぶり、大我。」
北「最近は京本以外の5人が揃うこともがあっても京本だけ別撮りだったりしたからね。」
「仕事増えて大変だけど、すっごく楽しい…!でも、やっぱメンバーと会うのが1番楽しい!」
樹「…きょもぉ!大好きぃ!」
やばい、抱きつかれたら熱あるのばれる。
どう躱すか、を考えているとドアからマネージャーが、メイクお願いします、との事で樹の抱きつきは未遂で終わった。
これで終わり。明日は休み。だからお願い、何事もなく仕事が終わりますように。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!