ただでさえこの展開に混乱しているというのに、叶さんの質問は混乱をさらに加速させた
気がつけば緊張で手も足もブルブル震えていた
あの二文字が、もう喉まで込み上げてきていて、
大好きな人に、やっとこの思いを打ち明けられた
前を向くとそこには両手を開いて私を見つめていた叶さんが立っていた
その言葉に今まで押さえていた感情が溢れ出して、気がつけば叶さんの腕の中へ飛び込んでいた
ふんわりと香る甘い香水の匂いと顔がちょうど胸の位置にくる身長差のおかげで、叶さんの心音がはっきりと聞こえる
顔を上げて叶さんを見つめると___
そういって叶さんは目を逸らした
いつも余裕な叶さんだから緊張とかしないタイプだと思っていた
___耳まで真っ赤になってることに気がつくまでは
そう言って笑っていると、叶さんは私の右頬に手を添えて顔を近づかせた
あまりの近さに思わず目をつぶってしまった次の瞬間、左頬に柔らかいものが当たった
そう言って、叶さんは会議室を後にした
まだ左頬にさっきの感触が残っている、これは夢じゃないんだと実感させられた
一連の出来事を整理しようと思って思い出してみたが動揺と嬉しさのあまり思わずしゃがみ込んでしまった
しばらくたったあと私も会議室を出た___













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!