飯田side
轟くんの一言で涙が溢れた。
友に守られ、血を流させて。
目の前のことに囚われ、自分の事しか考えられてない!
ヒーロー殺し、お前の言うとおりだ。
僕は彼らとは違う未熟者だ。
だが、だからこそここで立たねば、!!
彼らに、兄さんに、二度と追いつけなくなってしまう!!
轟くんを斬りつけていたヒーロー殺しの顔を狙い蹴る。
刀が折れ、ヒーロー殺しが轟くんから離れる。
轟くんがフォローしてくれるが、もう分かっている。
そうだ、僕にはヒーローを名乗る資格などない。
だがここで折れれば僕のヒーロー、兄が継がせてくれたこの名が。
ヒーロー殺しは先程より強い殺気を放って僕達に向かってくる。
緑谷くんと轟くんにこれ以上血を流させるわけにはいかないと思い、積極的に前へ出て戦っていると二人はサポートしてくれる。
三人でなんとかヒーロー殺しと戦っていると、様子がおかしくなった。
三人で背を寄せ合い、ヒーロー殺しの動きを凝視しているといきなり目の前から消えた。
轟くんの声とともに後ろを振り返ると、天馬くんを担いだヒーロー殺しが立っていた。
二人が天馬くんを取り返そうとヒーロー殺しに向かうのを必死に阻止する。
なんだ、二人とも急に冷静さを欠いている…!
ヒーロー殺しは鋭い眼光で僕と倒れてるプロヒーローを睨み、この場を去ろうと大きく踏み込んだ。
はずだったが、ヒーロー殺しはうめき声をあげその場に倒れ込んだ。
ヒーロー殺しの前にはずっと気絶していた天馬くんが立っていた。
だがなんだ、この違和感…。
轟くんが天馬くんに近寄ろうとすると、ドカァンと音を立て地面にひびが入った。
天馬くんの周りには光の鞭のようなものが浮いており、地面のひびは天馬くんがやったものだと容易に想像できた。
理解が追いつかず、混乱する僕達の方を見て天馬くんはボソッと言葉を発した。
それだけ発すると天馬くんは再び倒れてしまった。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。