第47話

☁,46
62
2023/12/29 09:01 更新






飯田side



轟焦凍
なりてぇもんちゃんと見ろ!!!

轟くんの一言で涙が溢れた。

飯田天哉
(何がヒーロー…!)

友に守られ、血を流させて。

目の前のことに囚われ、自分の事しか考えられてない!

ヒーロー殺し、お前の言うとおりだ。



僕は彼らとは違う未熟者だ。

だが、だからこそここで立たねば、!!



彼らに、兄さんに、二度と追いつけなくなってしまう!!
 
飯田天哉
レシプロ…バースト!!

轟くんを斬りつけていたヒーロー殺しの顔を狙い蹴る。

刀が折れ、ヒーロー殺しが轟くんから離れる。

ヒーロー殺し
幾ら取り繕おうとも無駄だ
ヒーロー殺し
お前は贋物にしかならない

轟焦凍
時代錯誤の原理主義だ、耳を貸すな

轟くんがフォローしてくれるが、もう分かっている。



そうだ、僕にはヒーローを名乗る資格などない。



だがここで折れれば僕のヒーロー、兄が継がせてくれたこの名が。

飯田天哉
インゲニウムが死んでしまう…!

ヒーロー殺し
論外

ヒーロー殺しは先程より強い殺気を放って僕達に向かってくる。


 
緑谷くんと轟くんにこれ以上血を流させるわけにはいかないと思い、積極的に前へ出て戦っていると二人はサポートしてくれる。

三人でなんとかヒーロー殺しと戦っていると、様子がおかしくなった。
 
ヒーロー殺し
ハァ…時間切れだ

緑谷出久
なんだ、何かしてくるぞ…!

三人で背を寄せ合い、ヒーロー殺しの動きを凝視しているといきなり目の前から消えた。

轟焦凍
っ、後ろだ!!

轟くんの声とともに後ろを振り返ると、天馬くんを担いだヒーロー殺しが立っていた。

緑谷出久
離せ!!!

轟焦凍
おい、そいつに何もするな!!

飯田天哉
待て二人とも!罠かもしれない、不用意に近づくな!!

二人が天馬くんを取り返そうとヒーロー殺しに向かうのを必死に阻止する。



なんだ、二人とも急に冷静さを欠いている…!

ヒーロー殺し
何もしない、ただ俺は見届けるだけだ
ヒーロー殺し
その二人を殺す事よりこいつの方が圧倒的に価値がある

ヒーロー殺しは鋭い眼光で僕と倒れてるプロヒーローを睨み、この場を去ろうと大きく踏み込んだ。

ヒーロー殺し
ガァッ!?

はずだったが、ヒーロー殺しはうめき声をあげその場に倒れ込んだ。

飯田天哉
…天馬くん、?

ヒーロー殺しの前にはずっと気絶していた天馬くんが立っていた。



だがなんだ、この違和感…。

轟焦凍
起きたのか…?
轟焦凍
とりあえずこっちに来い、そこはあぶねぇ

轟くんが天馬くんに近寄ろうとすると、ドカァンと音を立て地面にひびが入った。

緑谷出久
天馬さん!?

天馬くんの周りには光の鞭のようなものが浮いており、地面のひびは天馬くんがやったものだと容易に想像できた。

轟焦凍
なんだ、天馬、どうした…?

理解が追いつかず、混乱する僕達の方を見て天馬くんはボソッと言葉を発した。
 
(なまえ)
あなた
始まる、この世を混沌へと導く終焉の時が…

飯田天哉
…??

それだけ発すると天馬くんは再び倒れてしまった。

 

プリ小説オーディオドラマ