呪霊は人から漏出した負のエネルギーが集積し、形を成した呪いを指す言葉。 一部の上級呪霊を除けば呪霊の多くはコミュニケーション能力を持ってない。そして人間を憎み、容赦なく襲い掛かってくる。 日本国内での怪死者・行方不明者は年間1万人を超え、そのほとんどが呪いの被害によるものなんだ。

それを祓う、まぁ殺すのが私達呪術師。

って言っても、私は戦えないんだけどな…、

私の持つ術は、さっきあなたと金髪の子にした、反転術式って言う回復の術式なんだ。

だから戦いに向いてない。

まぁ、話を戻す。その呪霊、呪術師にも等級がある。

4級、3級、準2級、2級、準1級、1級、特級。

これの強さを通常兵器でも呪霊に有効と仮定した場合、

4級。木製バットで余裕。

3級、拳銃があればまぁ安心。

2級、準2級、散弾銃でギリ。

1級、準1級、戦車でも心細い。

特級、クラスター弾での絨毯爆撃でトントン。

これが事実。

そして、各級の術師は、同じ等級の呪霊よりは強いが、次の級には及ばない感じだな。

特級は、3人だ。

さっき居た包帯野郎が現代最強呪術師だ。

1級はもう赤子同然じゃないか？

特級も大体雑魚だと思ってるだろ。

特徴的な前髪のやつ、今日見たか？

其奴が特級“呪詛師”、夏油傑だ。

簡単に言えば道を踏み外した奴の事だ。

……聞きたいのか？

彼奴、夏油は私の数少ない同期だった。

さっき言った現代最強呪術師で私のもう片方の同期の五条といつも一緒に居て、喧嘩して、仲直りしてってのを繰り返してた。

2人で最強とか、とにかく楽しそうだった。

きっかけは、星漿体護衛任務。

まぁ、ざっと言うと、大事なものを守る、みたいな。

昔の五条は今より圧倒的に弱かった。
1級が赤子同然なのは変わらないと思うが、

だろ？喧嘩に巻き込まれないように毎回逃げたし。

んで、私は話を聞いただけなんだが、
五条も夏油も瞬殺されるくらい強い敵が居たんだ。

五条は、其奴に殺されかけて、反転術式を会得した。

まぁ、高度ではないし、他の人に使えないんだけど。

その時に呪術の核心を掴んだ。

使える技は増えたよ。

でも、夏油の強さは変わらなかった。
結局夏油は私が治したし。

んで、その強い奴も五条が殺して、五条は最強になった。

単独任務は増えて、夏油と五条が一緒に居るのを殆ど見かけなくなった。

そこから夏油は痩せたり、眠れてなかったり。目に見える変化が現れた。
私は多分、夏バテだろうと思ってた。
五条に聞かれた時も夏バテだって答えてたから。

私は夏油はちゃんとした人間だって思ってなかったのかな、クズだったし。

その時は夏油が呪詛師になるとか、微塵も考えてなかった。

夏油が私達の前から消えたのは、高専3年の時だった。その時担任だった夜蛾セン、夜蛾校長から、『傑が非術師を大量に殺して逃げた』って聞いたの。

自分の耳と夜蛾センを疑ったな、
殺すって、あの？とか、ずっと自問自答してた。

五条はんな訳ねぇだろって荒れてたな、

これが経緯。

夏油が高専から消えたあと、私は1回夏油とあった。煙草吸ってたら、火いる？って寄ってきたからさ。

んで、冤罪じゃないか聞いた。

そしたら、冤罪じゃないって言うから、五条にチクったの。

そこからは知らない。

相当へこんでたな~、五条。

はいはい。イチャつくな。