1996年9月1日
トランクにローブ、セーター、教科書、羽ペン、杖......
必要なものを入れて下へ降りた
ホグワーツ特急は11:00に出発するため、
10:30にキングズクロス駅で
ハリー、ロン、ハーマイオニーと待ち合わせしている
父はマグルで母は魔女
しかし母は私のことには一切興味がなく、
父は言葉にはしないものの、母と私を怖がっている
7歳下の弟だけが私のことを慕ってくれているが、
今やその弟は叔母さんの元へ預けられてしまった
こんな家庭環境にしては、
我ながらよくここまで明るい性格に育ったなと思う
もちろん返事はない
私はトランクと
ホグワーツに入学した時からずっと一緒の
フクロウの籠を台車に乗せて
キングズクロス駅へ向かった
-キングズクロス駅-
着くのがギリギリになってしまったため、
3人はすでに待ち合わせ場所に来ていた
1人ずつ9と4分の3番線に続く壁を通って
プラットホームに到着し、
ホグワーツ特急に乗り込んだ
奥まで進もうとすると、
突然近くのコンパートメントのドアが開いた
ドラコは何か言いかけたけれど、
またコンパートメントの中へ入ってしまった
空いているコンパートメントを見つけ、
私とハリー、ロンとハーマイオニーで
向かい合わせに座った
ハーマイオニーは座ってすぐに
ロンが家から持ってきた日刊預言者新聞を読み始めた
少し空気が重くなった
ロンが気まずそうに咳払いをしてから、
日刊預言者新聞を覗き込んだ
ロンが指さす場所を見てみると
確かにそう書いてあった
今日未明、魔法省の管理下にある逆転時計が、
"一時的に盗まれた"という証言があった。
管理を担当していた役人によれば、突然黒い煙に包まれて逆転時計が盗まれたように見えたが、
次の瞬間には元通りの場所に置いてあり、黒い煙も消えていたという。
この事件に対してコーネリウス・ファッジ魔法大臣は
「現在魔法省の元にある逆転時計は間違いなく本物であり、管理人は身内が行方不明になったことへのショックから、精神状態が不安定であっただけである。」と供述している。
みんな...(ロン以外は)考えていることは同じだった
もしも、ヴォルデモートの手に渡ったら、
ハリーが、存在しなくなってしまう可能性だってある
ロンを見かねたハーマイオニーは
トランクの中から本を一冊取り出し、
逆転時計のことが書いてあるページを開いて押し付けた
本からひらりと1枚のメモが私の足元に落ちた
拾い上げてハーマイオニーに渡そうとしたけど、
記事に集中していたので
後で渡すためにポケットに入れた
昔、逆転時計を過去を変えるために使った魔法使いがいて、それによって何人もの人が存在しなくなってしまったという事件があった。
もし、今回もそんなことが起こったら....
考えながら歩いていると、
突然目の前が黒い煙に覆われ、
首に金属のチェーンのようなものが触れる感覚があった

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!