ー mikoto. ー
あめも今はおらん、
らんらんもすちくんも明日くる
いるませんせいはこさめちゃのお部屋で
ちっちゃいパソコンをさわってて。
こさめちゃと、なっちゃんはいっしょにねてた。
おれは
神さまにおてがみを書くために
お部屋に帰ってきた
前のところから持ってきたダンボールから
まっしろなびんせん、を出した
なんか
ちょっとめんどくさいな。
でも神さまは
なんでも叶えてくれるもん。
きっときょうも。
おばさんのおうちにいたときも
助けてくれたのは神さまだったから。
まっくらな、こわいところに
いきませんように、っていった次の日から
まっくらなお部屋には入ったことはない
神さまがたすけてくれるんだ
おれの、わがままかもやけどね。
ー suchi. ー
夜、らんらんと話していたら
ポケットの中でスマホが振動した気がした。
でも後で見よう、と思い
スルーしかけた時
どうやららんらんの耳に振動の音が届いていたらしい
恐らくいるまちゃんからの連絡だ
だから念の為らんらんには
メッセージでは無くイラストを描くアプリを見せた
試しに指で線を引く
淡い桃色の線が真っ白なキャンバスに乗った
ベッドの上からこちらのスマホを覗き込む姿は
なんとなく、愛おしかった
じっと画面の虜になったらんらん。
そんな様子を伺いながら俺は設定ブラシを変えて、
色も淡い水色にした
水彩画のようになる筆で描かれた淡い水色は
らんらんの目を輝かせた
朝より気分も上がってみるみたいで
明日にはあちらに迎えそうだった。
しばらくしたら珍しく自分から寝ると言い出したので
眠りにつくのを隣で待っていた
規則正しい寝息が聞こえ
先程のメッセージを開いた
文章ではなく画像だった
ひとつの便箋だった
筆跡を見てみことちゃんと直ぐにわかった
何度も消した跡、所々滲んでいるから
泣いたのだろうか、そう思いながら
手紙を読む
「 神さまへ
いつもおれのおねがいきいてくれて
ありがとうございます。
お引っこしをしました
まだみんなこわいです。
おねがいがあります
おれは、新しいともだちがほしいです。
チャンスをください 」
みことちゃんは気づいているのだろうか。
神さま、と称されている人物は
俺だということに
同時に追加メッセージが送られてきた
「 ほらよ、神さま
待ってんぞ。
仕事も荷物の整理も溜まってんだから
明日らん連れて2人で来いよ。 」
不器用ないるまちゃんなりの
遠回しの言葉
『 みんなで待ってるから早く来てね 』
整った顔立ちのらんらん
そんな彼の髪ををそっと撫でた
待っててね、そう思いながら
スマホをポケットにしまった。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!