《ゲーム開始から5時間》
夕暮れが近づき、空はゆっくりと茜色へ染まり始めていた。
「今日はこの辺で休めそうだな。」
さとみが辺りを見渡す。
少し開けた草原。
近くには小さな川も流れている。
「賛成。」
ななもりが頷いた。
「暗くなってから動くのは危険だしね。」
「じゃあ今日はここでキャンプや!」
ジェルが両手を広げる。
「まずは火を起こさなあかんな!」
「じゃあ僕、薪集めてくる!」
ころんは元気よく森へ走っていった。
「ころんくん! 一人は危ないよ!」
莉犬が慌てて追いかける。
「僕も行く。」
るぅとも笑いながら二人の後を追った。
その姿を見送りながら、ジェルが笑う。
「元気やなぁ。」
「……ああ。」
さとみも思わず口元を緩めた。
ほんの数時間前まで知らない者同士だったとは思えない。
不思議な空気だった。
「いっぱい集めてきたよ!」
ころんは両腕いっぱいに薪を抱えて戻ってきた。
「こんなに!?」
ジェルが目を丸くする。
「途中でるぅとくんも手伝ってくれたんだ!」
「そんなに重くなかったからね。」
るぅとは優しく笑った。
「莉犬くんは?」
ななもりが尋ねる。
「えへへ……。」
少し遅れて戻ってきた莉犬は、両手いっぱいに赤い実を抱えていた。
「食べられそうなの見つけた!」
「おぉ!」
ジェルの目が輝く。
「今日はごちそうや!」
「いや、まだ食べられるか分からないから。」
さとみが冷静にツッコむ。
「えぇー!」
みんなが笑った。
その笑い声は、静かな草原へ優しく響いた。
火が灯る。
ぱちぱちと薪が弾ける音だけが聞こえる。
六人は火を囲んで座っていた。
誰も何も話さない。
それでも、不思議と居心地は悪くなかった。
「そういえば。」
ころんが口を開く。
「みんな、このゲームに参加した理由ってあるの?」
その一言で、空気が少しだけ変わる。
ジェルは炎を見つめる。
さとみも何も言わない。
莉犬も、るぅとも、ななもりも静かだった。
「……今は聞かないでおく。」
ころんは苦笑いした。
「ごめん。」
「いや。」
ななもりが優しく首を振る。
「いつか話せる日が来たら、その時に話そう。」
「そうだね。」
るぅとが微笑む。
「その頃には、もっとみんなのこと知れてる気がする。」
ジェルは炎を見つめたまま笑った。
「せやな。」
「一か月も一緒におるんやし。」
その言葉に、五人も自然と笑顔になった。
夜。
満天の星が空いっぱいに広がっていた。
「すご……。」
莉犬が空を見上げる。
「こんな星空、初めて見た。」
「ゲームの中なのに、本物みたいやな。」
ジェルがぽつりと呟く。
ななもりは静かに夜空を見上げながら言った。
「ゲームでも現実でも、星は同じように誰かを照らしてくれるのかもね。」
誰も答えなかった。
ただ六人は、同じ夜空を見上げていた。
この時間が、ずっと続くような気がして。
誰も、この先に待っている運命なんて想像もしないまま――。
うぇいうぇい
ずっと最近pixivで投稿してたからいちいち吹き出し作るのめんどくなった
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。