正直これに尽きるのだ。
だって、昨日もいつもと変わらない日だった
確かになんだか風邪っぽいな、とか肩痛ぇ、とかならあったけど。
朝起きて
学校行って
サッカーして
家帰って
サッカー見て
寝て、、っていういつもの生活。
朝起きたらどうだよ。
なんか体重ぇ〜……なんて能天気に思っていた数分前がだいぶ懐かしく感じられるほどには。
いつもの日課で部屋の鏡を見た。だけだったらよかった。
しかし
そこに写るのは、
長く細いまつ毛、丸く滑らかな輪郭、細い腕や首、白い肌…それに胸の謎のふくらみ、谷間、。
『わ〜女〜』なんて寝ぼけていた自分は馬鹿なのか。
ぶかぶかのパジャマや、髪型は自分のものだったし、何より鏡に映る"女みたいなやつ"は自分と同じ動きをしている。
いくら疎い自分でもわかってしまう。
そして所謂冒頭に戻る、だ。
だって!だってだよ!!?
想像してみろ
朝いつも通り起きて、鏡を見たら
女!しかも自分!
思わず某入れ替わり彗星映画が頭をよぎったよね
俺も胸触ってみようかな。
そしたら妹みたいなやつが急に入ってきたりして………「何してんの」とか言ってきたりして……
残念なことにそんな風にはならない。
第一胸とか興味ないし…
だいぶ異常事態を超える異常事態のはずだし、
自分だって頭はクエスチョンマークと焦りで埋まっている、
けれど案外
冷静でいられるもんだな
色々な意味で重い体を
リビングへと向けた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!