ザーザーと雨が降る音が耳に残る。
本を読むことすらままならないクラスの騒々しさと雨の音で本の内容が殆ど頭に入ってこない。
本の内容が頭に入ってこないのに本を無理に読む必要があるのだろうか?そんな事を考えながら静かに本を閉じた。
雨の中でも必死に羽根を動かし飛んでいる鳥を教室の窓越しに眺める。
__あ。
雨の中でも必死に飛んでいた鳥は大雨と大風に耐えられなかったのか落下し地面に叩きつけられた。
まるで、この間見た作品を連想させる光景だ。
そんな事をぼぅっと窓の外を眺めながら考えていればぽんぽんと肩を叩かれた。
振り返れば後ろの席に座っている親友が携帯を片手に興奮気味な表情でいる。
片耳にはイヤホンを付けており何かを聞いていたことが見て伺える。
嬉しそうにしながら笑う最原くんは携帯を見してくる
ほらほらと興奮した声色で話し出す最原くん
最原くんは携帯を一回机に置き私の両手を包む様に握ってきた
最原くんは嬉しそうに笑いながらキラキラ目で見つめる
昔からそうだ、最原くんは何をするにも私を誘う。
私がこの春原学院に入学したのも最原くんが一緒の同じ学校に行きたいと言うから入学したのだ。
別に最原くんと同じ学校が嫌だったとかそう言うのは一切ない。
ただ、最原くんは少し寂しがり屋なだけだから
私は心底最原くんに甘いとつくづく思う
まあ、でも、それで良いのだ、彼が喜んでくれればなんでも
そんな時一瞬、地面に叩き付けられた先ほどの鳥が脳裏に浮かんでは消え去った
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!