週に一度の、退屈で無駄な全校集会。
早く終わらないかな、
とあくびをしそうになった時。
体育館の壇上に立つ辺里唯世が
全校生徒の前で
信じられないことを言い出したのだ
dealerの意味:ゲームの進行役、ゲームの審判。
カードを支配する絶対的存在。一瞬、思考が完全に停止した。
私の名前が体育館中に響き渡った瞬間、
途端に生徒達は大騒ぎ。
全校生徒が一斉に私の方を振り返る
昨日も、今日も、
あれほどはっきりと「断る」と
言ったはずだ。
お遊びに付き合う時間なんてない、と。
壇上を見ると、唯世は真っ直ぐに
私を見つめ、どこか申し訳なさそうに
こちらを見つめていた
私の肩の上で
それぞれに興奮している様子のロゼとティアラ。
ここで嫌だと突っぱねて、
この場から立ち去ることもできる。
けれど、全校集会という公の場で
そんな騒ぎを起こせば、
私のモデルとしてのイメージは最悪なものになる
彼らは、私が表の顔が傷つくのを
恐れていることを知った上で、
全校生徒の前で私の名前を勝手に発表したのだ
私は小さく息を吐き出すと、
ざわめく生徒たちの間を
割れるようにして通り抜ける
ステージの階段を上り、唯世の隣に立つ
そう言った私は、完璧な笑顔を作っていた
後ろで、あむたちが
ホッとしたように息を吐くのが分かる
その瞬間、体育館中に
拍手と歓声が巻き起こる
… ほんと、やってられないわ。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。