第3話

3 .
197
2019/03/21 09:01
君の声は低くて,とても心地よい声だった .


『好きな犬種とかありますか ,?』


「あ,えっと,ポメラニアンが好きです」


『僕もポメラニアン好きなんです ! 家で1匹飼ってますよ !』


にこにこしながら話し掛けてくれる .


これが接客だって分かってるのに,何故かドキドキしてしまう自分が居る .


『この仔,僕の仔なんです !』


そう言って笑顔でスマホを見せてくる君 .


画面には可愛い真っ黒なポメラニアンが映っている .


『可愛いでしょ 笑』


「はい 笑」


『お姉さん,初めて入ってきてくれましたね 笑』


「え,?」


『僕知ってたんです,ガラス越しにお姉さんが何時もこの仔達見に来てるの』


どうしよう,君を見てただなんて言えない .


「あ,あのポメラニアン居ないかなって見てたんです ! 」


『あ ~ ,ポメラニアンなら今日新しい仔入ったんです ! ちょっと待っててください !』


そう言うと笑顔で裏に行く君 .

プリ小説オーディオドラマ