君の声は低くて,とても心地よい声だった .
『好きな犬種とかありますか ,?』
「あ,えっと,ポメラニアンが好きです」
『僕もポメラニアン好きなんです ! 家で1匹飼ってますよ !』
にこにこしながら話し掛けてくれる .
これが接客だって分かってるのに,何故かドキドキしてしまう自分が居る .
『この仔,僕の仔なんです !』
そう言って笑顔でスマホを見せてくる君 .
画面には可愛い真っ黒なポメラニアンが映っている .
『可愛いでしょ 笑』
「はい 笑」
『お姉さん,初めて入ってきてくれましたね 笑』
「え,?」
『僕知ってたんです,ガラス越しにお姉さんが何時もこの仔達見に来てるの』
どうしよう,君を見てただなんて言えない .
「あ,あのポメラニアン居ないかなって見てたんです ! 」
『あ ~ ,ポメラニアンなら今日新しい仔入ったんです ! ちょっと待っててください !』
そう言うと笑顔で裏に行く君 .
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。