職場体験7日目___。
朝、スマホを開いてみても
けーごから連絡はない。
朝ご飯を食べている途中、
目良さんが急にそんなことを言い出した。
月一の数量限定プリンの日を逃す訳にはいかない。
それに、本当に体調は悪く無いのだ。
ズル休みでプリンを逃すなんて
馬鹿なことは論外である。
焼き魚に目をやると、本当に穴が空いていて
何も言えなくなってしまった。
そこに追い討ちで目良さんが
「 20分はしてましたよ 」と言い放った。
正直ここ数日、身が入っていないのはわかっていた。
勿論、その理由も。
そう言うと、呆れたと言わんばかりの
目を向けられる。
あの人、か…。
目良さんが言う"あの人"こそが私の悩みの種。
職場体験が始まってから、けーごから
毎日来ていたメールがピタリと止んだのだ。
いや、問題はそこじゃない。
" 明 日 け ー ご が 死 ぬ 未 来 "
「 もう殺されてるんじゃないか 」
そんな確証のない不安だけが募っていく。
職場体験に行かなければ、
あの未来を変えれるかもしれない。
そう思えているのは どうやら頭だけみたいだ。
けーごが死んだ。
その事実だけは多分、何回聴いたって
慣れる時は来ないんだろう。
そう言うと目良さんは部屋を出て行った。
学校休んで旅行なんて行くわけ___…
多分ずっとそうしたかったのかもしれない。
財布とスマホを鞄に突っ込んで、
「 行ってきます 」と扉を開く。
鉛のように重かった足は
真っ直ぐ玄関へと走っていた___。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。