あなた「じゃあこの服買ってもいい?」
国見「別に。買ったら?」
あなた「お会計してきます!」
服を買えたから満足している。
あなた「国見は行きたいとこないの?」
国見「.....」
少し考え込んで答えが出た。
国見「あなたの家」
あなた「え、無理恥ずい」
国見「嫌ならいいけど」
嫌ではないけど、緊張やばい。
いや、これは恋なんだ。
今、家に呼ばなきゃ進展ない。
あなた「じゃあ家行こっか」
これは所謂『お家デート』ってやつなのか...
そもそも付き合ってない男女で過ごしていいのか?←恋愛経験皆無
あなた「クッキー焼いてきたー」
国見「え、すご」
そこは食いつくんだ。
あなた「はい」
国見にクッキーの入った皿を渡した。
国見「うま」
あなた「でっしょー!」
これでまずかったら女子力低い女子だと思われてたな。
いや、草。
あなた「てか、家で何するの?」
あなた「私の家なんもないよ?」
国見「話す」
あなた「何を?」
国見「俺、あなたについて知りたいから」
え、これ期待しちゃってもいい的な?
いや、待て。だめだ。後で後悔する。
恋じゃない。恋するよりも友達として隣にいた方がずっといいし。
あなた「何が知りたいの?」
国見「好きな食べ物」
あなた「ぇえ?」
あなた「私は食べられるものならなんでも...」
国見「え、ふーん」
何その訊いたくせに興味なさそうな感じ。
国見「好きなお菓子」
あなた「ポッキーとか?」
国見「好きな教科」
あなた「国語!びこーず得意」
国見「英語入ってんじゃん」
あなた「それは気づかなかった...ことにして」
あなた「ていうか、私ばっか答えてるじゃん」
あなた「国見ずるい」
国見「...」
あなた「好きな食べ物は?」
国見「...塩キャラメル」
あなた「ああ!美味しいよね~!」
あなた「好きなお菓子は?」
あなた「あっ、塩キャラメルか...」
なんだか自問自答したみたいで恥ずかしい。
あなた「好きな教科は?」
国見「自習。寝れるから」
あなた「それ、教科じゃない」
と、私は微笑した。
あなた「あるじゃん。国、数、社、理、英、美、技、保体、家庭科and、音...?」
家庭科仲間外れ感。否めない。
国見「また英語。やっぱ好きじゃん」
好きという単語が頭の中に浮かび上がってくると、国見の顔も一緒に出てくる。
恋なのは分かってるのに認めたくない。
認めたら、今の関係が崩れてしまうかもしてない。
いつも、こういう思考になってしまう自分が嫌いだ。
国見「...?」
国見はどうした、とでも言うような顔で見つめてきた。
確かに急に黙ると怖い。
あなた「ごめんごめん。ちょっと考えててさ」
国見「うん」
国見「さっきの質問の続きいい?」
私はぐっと親指を立てて見せた。
国見「好きな人は?」
あなた「え、」
頭に国見が浮かぶけど、その煙を消すように手を仰いでいる自分がいた。
国見「好きな人いんの?」
あなた「今、いない」
と、言ってしまった。嘘だけど。自己防衛だと思うし。
国見「ふーん、」
あなた「くっ、国見こそ!」
あなた「好きな人...」
国見「俺もいない」
あなた「そっか」
『俺、あなたについて知りたいから』という言葉に期待してしまった自分が恥ずかしい。
まあ、私なわけないよね。
国見「でも、大好きな人はいる」
あなた「それ、つまりが好きな人じゃん...」
国見は少し考えて確かに、と声を漏らした。
あなた「で?...誰なの?」













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!