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第9話

手 答え合わせ 1596
27
2023/06/19 08:39 更新
蒸し暑いこんな夜に、由美に呼び出されたのには理由がある
「肝試しやるよー!」
という由美の言葉が始まりだった



「なんで、肝試しなんて…やりたくない…」
あなたの下の名前が不満を漏らす
僕は暇を潰せるから丁度いいかな
「なんで!?いいじゃん!スリル満点だよ!?」
と由美が興奮を隠しきれない様子で、あなたの下の名前に詰め寄る
そんなに詰め寄られると怖そうだなあ
「まあまあ…そんな幽霊とかいるわけないだろ。大丈夫だよ」
現実主義者な裕二が由美をあなたの下の名前から離す
「それに、二人ずつで行くし、大丈夫じゃない?」
僕の言葉に納得したのか、渋々あなたの下の名前は不満そうな顔をして黙った
「ペアがluzとか、不安でしかない…」
「えっ?」
僕ってそんな頼りないのかなあ…ちょっとショックかも
「ぐだぐだ言っても、しょうがないから早く行こう!」
心が踊っている様子の由美が、肝試しをする墓地の方をピンと指さす
「まあ、由美もああ言ってる事だし、俺は由美のストッパーにならないといけないから、先行くわ」
「逝ってらっしゃい…私は帰るわ…」
裕二に小さく手を振るあなたの下の名前、顔が死んでいる
帰んなよー!といつの間にか墓地の方へ行った由美の所へ走っていった
いかにも帰ろうとしているあなたの下の名前を止めるために、帰っていいの?こんな暗い中?何があっても知らないよ?と釘を打つ
僕の言葉を怖がったのか、動きが止まる
こちらに何かを言いたそうに、唇を噛んでいるあなたの下の名前
「…行けばいいんでしょ!行けば!」
怒っているようなあなたの下の名前が、墓地の方へと歩き出す
僕も着いていかないとだよね
あなたの下の名前の方へ小走りで向かう
僕の右にいるあなたの下の名前が、後ろの方を確認していたので、もしかして僕が着いてきているか心配してるのかなと思って、ここにいるよと言った
そしたら、あなたの下の名前がこちらの方を向き、驚いたような顔をされた
…僕なんかやったかな…



墓地の中に入ると、別のところとは違う雰囲気を感じとった
…なんか変だな
「怖…無理…」
あなたの下の名前が無数にある墓石を見ながら呟く
中々雰囲気出てるなー
呑気な事を考えながら、墓石を見ていると、急にあなたの下の名前が右手を大きく振ると、出口の方へ走り出した
「え、ちょ」
僕なんもしてないよね…虫でもいたのかな
とにかく追いかけないと
もう遠い所にいるあなたの下の名前を追いかける



僕がゴールした頃には、もうあなたの下の名前は着いていた
「置いていかないでよ」
置いていくのは酷いじゃないか
「ごめんって…お菓子奢ってあげるから…ね?」
お菓子、という言葉に釣られいいの?ありがとう!と許した
なんのお菓子買ってもらおうかな…
ということに夢中で、裕二と由美が何を言っていたのかが耳に入ってこなかった



コンビニでお菓子を選んでいるこの時が1番悩む
グミ…チョコ系もいいなー
と次々とお菓子を選んでいく
「ちょっと選びすぎじゃない?…」
とやんわりとそれ以上選ぶなとあなたの下の名前にストップされてしまった
あなたの下の名前にお会計してもらい、コンビニを出たあと、ふと墓地での出来事を思い出して、あなたの下の名前に聞いてみた
「ねえ、そういえばなんで、墓地にいる時手を大きく振ってたの?」
僕がそう尋ねると、あなたの下の名前はえ?というような顔をして
「だって、luzが急に手を握ってくるから…」
と言った
んー?僕は手を握ってなんかいないんだけどな…
「あーごめん驚かせちゃった?はぐれないように繋いだだけなんだけど…」
と僕が素知らぬ顔で嘘を吐くと、あなたの下の名前は、そうだったの?なんかごめん謝ってきた
「大丈夫だよー」
言わない方が良い気がしたので、嘘を着いた。でも、僕はあなたの下の名前の左にいたから、あなたの下の名前の右手を繋げる訳無いんだけどな…

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