気づいたら、知らない場所にいた。
間髪入れず死柄木と思われる人物に首を握られる。
そういえば個性は崩壊だっけ。5本指じゃなきゃ駄目だから今は4本指なのね。
ああ、これを話したのもホークスだったな。
ぼーっとしてるうちに足や手に拘束器具がつけられて身動きが取れない状態になっていた。
近くの椅子には座れるようになっている。
そりゃそっかと思い、諦めて椅子に座る。
私はパワー系じゃないから外せないし。
ぞろぞろと人が入ってくる。
騒がしいなこいつら。早く帰りたい……
全員、ヴィラン連合か。
テレビで見た顔写真に似ている。公安の頃は死柄木しか知らなかったからそれ以外は追加の人。
連合ってまじでいたんだ。
私にも誰なのか、わからない。
私は、今誰なの?
そして、一言。
やっぱり、勧誘かぁ。
正直どっちでもいい。
私がヒーローになりたかったのは燈矢の叶えられなかった夢を継ぐため。
今のヒーローはその理想とは異なる。
4人は興味津々の様子で私をみてくる。
にやっとおぞましい笑みを浮かべる。
でも思ったよりちゃんとしてる。それ相応の過去があるんだろう。
彼女も笑顔だ。
なんか話を聞くのに飽きた。
もう聞かなくてもいいや。
炎……炎の個性持ちってだけで思い出すの。
とーや……私、どうすればいいの?
あなたが望んだのは最高のヒーロー。
今のヒーロー社会は歪んでいる公安によって成り立っていてあなたの理想ではない。
燈矢が駄目だって言ったわけじゃないけれど私が許せない。
だから出てきた。
そしてもう大切なものが壊れないように。
だからってヴィランになりたかったわけでもないんだよ。
拷問でもされて入らされるかもしれないけど断った。
だって私強いから。
は?
彼は他の3人を連れて部屋を出ていく。
無視しやがって!
別に個性であいつらの動きを止めることは出来たけど外させることは出来ないからやんなかった。
あいつらは私の掌の上だってわかってるのかな…
これ私が入るって言うまでこのまんま?お腹すいたぁ。
するとさっきのとは違う、黒髪の男が入ってくる。
そいつはこちらに目もくれず部屋の奥にあったものを取ってさっさと出ていこうとする。
彼は止まらない。立ち上がるも、拘束具が邪魔でそっちまで行けない。
もうこれ邪魔!!!
ガシャンッ
彼の元に駆け寄り、服を掴む。
彼はやっと止まる。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!