第9話

疑問
289
2026/06/16 12:56 更新
会長
今回のあなたの任務はこれよ。よろしくね
ものすごく端的に言い渡され、資料を押し付けられる。

部屋を出たあと。
あなた
はぁ………
なんか…………

気が重いなぁ。






こんな泥仕事はずーーーーっと続けてきたわけだけど最近は本当にやりたくない。

できることなら、できることなら─────
今回の任務の内容はこうだ。

公安にホークス、シフト・セレナを使ってやっている暗殺などについての証拠写真を持った奴がいると。

そして最近怪しい動きをしている。情報を漏らすかもしれない。

そいつとその家族もろとも殺せ。
あなた
…………、








目の前が真っ黒に染まった。














こいつ本人は………分かる。

情報を持って、もしかしたらバラすかもしれない。
まだバラしたわけじゃないけど確かに危ない。
ヒーロー社会にとって危険である。








でも、じゃあ、なぜ家族を?








私が祖父母に置いていかれたあの日のことを呼び起こす。



─────おばあちゃん?おじいちゃん?







─────君の力は社会をより良くできる。







─────そんなことより僕たちについてきてくれないか?
あなた
フーッ……っ…!
怒りと悲しみが腹の奥底から湧いてきた。

私がされたことと同じことを子供に出来ない。

大切な人を無くす痛みを知っているのは、私だけでいい。

今まで、公安に逆らったことなんてなかったけど…今回は。

断ろう。この仕事は辞めさせよう。




公安直属である前に………私はヒーローだ。
あなた
会長!!!
会長
どうしたの、今忙しいのよ
あなた
私、先程の仕事は……受けれません
会長
なんですって?
あなた
あの任務内容に疑問を覚えました。あれはすべきではないです。
思ったことがスルスルと口から出ていく。
これ、本当に私?
あなた
お願いします。辞めてください
会長
………家族のことね?
あなた
…はい
























会長
それは無理よ。やりなさい
あなた
会長!
会長
あれは貴方の仕事よ。社会を安らかにするための仕事。必要なの、分かるでしょう?
あなた
だめです、子供は……!駄目、なんです!
会長
感情論ではないの。あなた達の仕事内容が世間に知られたらヴィランがどうなるかしら
あなた
会長、もうやめましょう?殺しは……もう……
私が最近ずっと思っていたこと。

いろんなプロヒーローや雄英の子たちと関わってわかった。

もうこの泥仕事は辞めたい。

できるなら………他の人達みたいなヒーローになりたい。

皆を助けて、笑顔にして、救う。

私も皆が笑顔になり心から嬉しい。

そんな……ヒーローに………
会長
冗談を言わないで!!!!
バン!と手を机に叩きつける会長。




私だって……この仕事の重要性はわかってる。でも…!
あなた
もう嫌なんです!お願いです、やめさせて…!
会長
何を言ってるの!貴方がここを去るなら貴方をホークスが殺さなきゃいけなくなるわ。情報を漏らす可能性があるでしょ
あなた
ッ…!
会長
そうやってこの日本は成り立っているの。
貴方の感情一つで壊していいものじゃない
あなた
も……いや…
涙をこらえる。

嫌だよ、やりたくないの。

でも……ホークスが私を殺さなきゃ?
会長
分かったらこの仕事を受けなさい
私は部屋を走って出た。
行き先はない。
とにかく走って、走って、走った。

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