第8話

私の過去を
200
2024/01/28 03:33
『毎日泣く子』
『あらやだこんなことで泣くの?』
『泣いてばっかりで、弱そうな子』
『毎日泣いているせいで顔が荒れてるんですって』
いいよ
そんなこと
アンタ達のことじゃないし
初めて合う人は「可愛い子ね」なんてお世辞言うけど、心のなかではどうせそんな事思ってもないくせに
善人ぶって
何もしていない私を加害者扱いする












生きる理由が欲しかった
こんな散々な人生でも
たった一つでいいから
生きがいを感じてみたい
どうせそんなこと叶わないんだろうな
私は悪夢から目を覚ます。
ああ、周りの大人たちは私を嫌がる。
理由は単純。うちのこに近づかれたら迷惑だとか、外見が酷いだとか。結局どこに行っても私の味方は居ない。嫌だなぁ。
昨日、エピテラボに行ったからインクから聞いた私が消えるという話が本当かどうか確かめたかった。まあ失敗に終わったけど。
エピックサンズ
エピックサンズ
なあbruh.
突然声がする。居たのか…!?気づかなかった。
(なまえ)
あなた
え、あ、あ、
エピックサンズ
エピックサンズ
おっと、その前に、おはようbruh.
(なまえ)
あなた
おはよう…
なんで彼はこんなに優しいのだろうか。こんな私と一緒に居たら病気が移るかもしれない。穢らわしい、こんな私病気が。
エピックサンズ
エピックサンズ
突然だけどさ、bruh..学校に行かないか?
『学校』その言葉を聞いて私は怯え、過呼吸になるやだ、やだやだやだやだやだ
(なまえ)
あなた
や、……だ…
私は泣きそうな声で言う。学校なんか行って何になるんだ。また同じことの繰り返し?
エピックサンズ
エピックサンズ
bruhが思ってるより学校は良いところだと思うぜ?bruh.
(なまえ)
あなた
エピックサンズ
エピックサンズ
ここに来る前、一体何をされたのか知らないけど、行ってみる価値はあると思うぞ?
(なまえ)
あなた
……
エピックサンズ
エピックサンズ
それに、このままだと勉強もおろそかになっちまうだろ?
(なまえ)
あなた
………
結局、君もそういう事を言うんだね。
君は私の前世も、学校あそこで何をされたのかも知らない。だからそんな事が言えるんだ。
(なまえ)
あなた
………私ね、
(なまえ)
あなた
転生、してきたんだ
エピックサンズ
エピックサンズ
え!!!????
エピックの目に輝きが灯る。多分そういう系の漫画とかアニメ観まくってるんだろうな。
(なまえ)
あなた
でも、幸せなものじゃない
エピックサンズ
エピックサンズ
……!
エピックはその言葉に反応する。これは、話しても良いのだろうか?学校に行きたくないという事の言い訳になってしまうだろうか?
(なまえ)
あなた
いじめられてたんだ。ずっと
エピックサンズ
エピックサンズ
今度はエピックが黙り込む番だった。エピックは私が話しやすいように何も言わない。
(なまえ)
あなた
家でも、学校でも
(なまえ)
あなた
悪夢を見るのは、そのせいだと思う。毎日辛くて、自害した。遺書も残した。『痛いよ』『助けてよ』って……結局、私もアイツラの不幸を祈ってた
(なまえ)
あなた
私ね、生きる理由が欲しかったの
(なまえ)
あなた
何も変わらない毎日で、何をしても否定されて、暗い海に突き落とされたみたいに。でも、それでもくだらない・・・・・"生"にしがみついてた
(なまえ)
あなた
なにか一つでも、「生きたい」と思えることが出来たら…何か、今より良くなるんじゃないかって
(なまえ)
あなた
それで、au君達に出逢った。明るく笑うau君達を画面越しに眺めて……幸せになれた
(なまえ)
あなた
…………そのときだけね
私は目を伏せる。
(なまえ)
あなた
学校に行きたくないっていう言い訳に聞こえるかもしれないけど、これ、本当なんだ
エピックサンズ
エピックサンズ
信じるさ
エピックは私の肩を掴んで優しく微笑む。
(なまえ)
あなた
え、
エピックサンズ
エピックサンズ
俺は、bruhのこと信じるよ。大切・・なんだ
大切?私が、?
嬉しい、誰かの生きがいになれていることが。
こんな私でも人を幸せにすることは出来るのだろうか。
エピックサンズ
エピックサンズ
bruhが今までされてきたことも、苦労も俺は知らない。けど、
エピックサンズ
エピックサンズ
これからの人生を幸せにすることは出来る
その言葉は、優しく、私の心に空いた穴を埋めてゆく。なんだか、久しぶりに満たされた気持ちになった。
(なまえ)
あなた
エピ、ック……!
私はエピックに泣きつく。ありがとう、ありがとう
エピックサンズ
エピックサンズ
大丈夫、大丈夫だあなたの下の名前
このまま、すべてが止まってしまえばいいのに…
こんなことをしていると、私が消えるなんて事が嘘みたいに思えた。
今思えば、インクの虚言なのかもしれない。私をからかっていただけなのかもしれない。
彼に本当のことを話したのは、良かったのだろうか?
結局、私がPlayerだってこともバレたし。
それでもエピックは私を見捨てないでくれた。
今更幸せをあげるなんて言わないでよ?神様
私は温かな陽射し差す部屋の隅で、優しく笑う。
それでも良いかもしれない。今更でも、変われるのなら。遅くたって、違ったって良い。それでも、私を愛してくれる人がいるから。
(なまえ)
あなた
ありがとう
私は、私を抱き寄せているエピックに感謝する。理由なんかどうだって良い。
エピックサンズ
エピックサンズ
……どういたしまして
エピックは優しく微笑み、私の頬を撫でる。
その瞬間私のソウルをくすぐったいものが駆け巡る。
ああそうか。私はエピックの事が『好き』なんだ。
推しとしてじゃなく、大切な人・・・・として。
いつか、この気持ちを伝えられるだろうか。
その時には、春の木の下で、『本当の気持ち』を伝える事ができますように。
開け放たれた窓から夏の風が入ってくる。
街に広がる緑は平凡なこの世界を照らしていた。

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