ウパさんと一緒に病院を出たのはいいものの…
ウパさんは私の前を歩いて、どこへ行く気だろう
思わず裏声が出た。
え、警察署!?今この人警察署って言った!?
ウパさんは何やら考える素振りを見せてから、「考えてそれ?」と、文句を言いたくなるような返しをした
呆れて眉を顰める私に、目の前に手が差し出される
私は差し出された手をギュッと握った
手を握って、最寄りの警察署まで猛ダッシュ!!
まだ、昼になる前の明るい時間
太陽が照らす街を、手を繋いで全力で駆けていった
思わず両手を膝につき、息を整える
そんな姿の私を見て、上から目線(物理)で嘲笑ってくるウパさん
とりあえず息を整えてから、警察署に入った
警察署のカウンター?のような場所で、1人ゴツい男性がいる
呼び止めようとして、ハッとした
これは私が聞いちゃいけない話なんだ
しぶしぶ別室に案内され、私は用意された椅子に座り、机に突っ伏した
ウパパロン視点
途端、警察の男性の目付きが変わる
辛そうな表情の警察官。
こんな話、聞くだけでも話すだけでも辛い
実際に受けたラテさんは、どれほど辛かっただろう
…どれほど、怖かっただろう
どうしよう。聞くか迷う
聞いていいのか、聞いてもただ不安になるだけだ
けど…
警察官の男性は目線を落とす
やましい話…っぽいな
思わず、片手を握りしめる
じゃあ、あの時、本当に俺が来なかったら……
抵抗出来ないラテさんは、どうなっていたのだろうか
頼もしい大人の瞳。あぁ、任せるべきだ、この人に
俺はまだ高校生で、未熟な子供だ
だけど頼れる人に相談したり、何とかしてもらえるよう、情報を出したりすることは出来る
これでどうか、不審者が捕まりますように
…もうラテさんが、傷付かないように
意外な言葉が降ってきて、思わず頭を上げる
警察官の方の言葉に、胸が熱くなる
敬意を込めた礼をして、少し拗ねたラテさんと対面
それに何にも…今は教えてあげれなくてごめん
その言葉は、きっと言わなくても分かってる
眉を下げて、少し困った表情のラテさん
いや…さっきちょっと口尖らせたじゃんw
という本音は心の奥底に仕舞い、ラテさんに向き直る
手を差し出せば、ラテさんは笑顔になって手を握る
ちょっと力強く、音を立てて、だけど
2人で警察官の男性にお礼を言い、出ていく
元気よく「はい!!」と返事をしてから、街に戻った
ーあとがきー




























編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!