『リスタート』
思い、出した...
先輩たちが言っていた、デスゲームの始まり。
とうとう、来てしまった。
彩葉は、俺と同じことを考えているのか、震えて
いた。
そして、ぬいぐるみは消えていった。
町全体に、放送が流れる。
『ゲームスタート。』
始まった...
町の人たちが混乱している。
そして彩葉は、ただただ震えていた。
顔を真っ青にして、震えていた。
俺だって、手が震えている。
始まってしまう。
先輩たちの日常を狂わせた、デスゲームが。
これから、沢山の人間が死んで、沢山の命が
消えていく。
人の命は、軽い。
触れるだけで、すぐに壊れる。
人の命は、重い。
その1つの命には、沢山の思いが詰まっている。
そんな命が、これから消える。
沢山、沢山、沢山、消える。
そんなの、どうすればいいんだよ。
俺には、何も出来ない。
ただ、命にしがみつくだけ。
突然、彩葉が俺の震える手を握った。
彩葉が何かをぼそっと言うと、俯いていた顔を
上げて、笑った。
無理矢理、笑った。
いや、逆だろ。それは俺の台詞。
俺はそう言って、いたずらっぽく笑う。
彩葉がいて、良かった。
震えも止まったし、恐怖も薄くなった。
それに、少し冷静になれた。
大丈夫。
まだ、始まったばかりだ。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。