昨日を境に、彼があの世界から消えた。
どんなに漫画をめくっても、
どんなにアニメを見返しても、
彼の姿は完全に無いものとされていた。

🌱佐野 あなた 🌱高校2年生
🌱ちょっと人見知り 🌱162cmの50kg
🌱一人暮らしを中学からしている
(今年で4年目)
🌱困っている人は見過ごせない
🌱好きなこと:お世話をする、雑談
🌱嫌いなこと:夜、独り
今日も朝から彼の存在を探してみるが、
やはり見つからない。
これから学校だから、ここでいったん中断。
高校2年生の私は本当にただの一般人だ。
運動は普通ぐらいで、勉強は学年ではいい方。
なにかに特化してる訳じゃない。
本当に、ごく普通の高校生だ。
しかし、他の人と少し違うと言うなら
言葉が返ってくるわけないが、写真にそう言った。
中学1年生の頃、私は両親を亡くした。
とても悲しくて、辛くて、1日中ずっと泣いていたが、
今は前を向いて、笑顔で過ごしている。
天国にいる2人も、そうすれば笑ってくれると思ったから。
道端に1本の小さな桜が咲いていた。
向かう先にも、ちらほら桜が咲いてるのが見える。
今はもう4月の下旬。
散った桜が路の端に沿って落ちている頃だと思うが、
なぜこんなに萎れた桜が木に根気強く付いてるのだろう…。
季節外れの桜に目を奪われながら歩いていたら、
通行人の人とぶつかってしまった。
はて、どこかで聞いたことがあるような、
見たことがあるような…?
白黒のウイッグのような髪。
両方で色が違うオッドアイ。
Tシャツと黒ズボンというシンプルな服装。
あちらの世界から消えた彼が、目の前にいる。
彼から映る私は、どれほど滑稽な顔だろう。
驚きすぎて変な顔になってるかもしれない。
だけどそれは仕方のないことだと思う。
だって彼は俗に言う2次元のヒトなんだから。
彼の眉がピクッと動いた。
唇を噛み、周りを見渡すと、
ゆっくりと息を吐いて重い口を開く。
自分の気持ちを分かってくれない、と拗ねる子供のように、
彼は俯きながら私の反応を待った。
ここで、君のことは知ってるよ、
君の周りに楡井君や蘇枋君とかいるでしょ?
なんて言ったら警戒されるに決まってる。
ただでさえ人を受け入れることが無かった彼にそんな事を言ってしまえば、
嫌われて私の人生は常に鬱状態に一直線だ。
危ない、拓ちゃんのアレが出そうになった。
私の言葉に桜は呆れていた。
しかしその表情には温かくて優しい心が映っている。
ほんの少し、僅かにだけれど、
彼が笑っていた。
私の言葉に笑ってくれた。
発狂が喉まで登ってきたが、
近所迷惑になるし引かれるので、
ぐっとそれを飲み込んだ。
案の定無いみたいだ。
そりゃああっちの世界とは違うし、
住む家があったほうが怖いか。
だって大好きな彼が目の前にいて、
住む場所が無いと困っている。
彼のことはSNSに乗ってることならば
なんでも知ってるし…。
誰よりも大切にする自信がある。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!